朝の少女 (新潮文庫 ト 15-1)

  • 新潮社 (1996年12月1日発売)
3.73
  • (44)
  • (48)
  • (75)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 499
感想 : 77

夢想好きで誰よりも早起きな“朝の少女”。その弟、夜の暗闇に同化し、星を「見下ろす」ことが好きな“星の子”。昼と夜のように対極的で相いれず、けれど誰より寄り添い合う姉弟が、自然豊かな島の小さな社会のなかで両親に見守られながら大人になっていく様子を描く。
既に失われた、これから生まれてくる、今まさに生きている。あらゆるいのちの輝きに満ちた世界では、みんな幸せだった。
そう、あの日海の向こうからやってきた見知らぬ人々に“朝の少女”が最初に出会うまでは――。

エピローグのあとの物語が語られることはないけれど、その必要はなく、おそらく誰もがその後の物語を察することができます。 “朝の少女”や“星の子”の運命も。
美しく幸せに満ちた少年少女の成長の物語であると同時に、流れる時間、運命の残酷さを描く物語。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 外国の作家:D
感想投稿日 : 2013年11月16日
本棚登録日 : 2013年11月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする