世にも奇妙な人体実験の歴史

  • 文藝春秋 (2012年7月6日発売)
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「自説が正しければ、この実験を敢行しても命の危険はないはずだ」と信じて自己実験に踏み切ったたくさんの先人たち。
つまり科学や医学の名のもとに、彼らはコレラ菌入りの水、塩酸、ニトログリセリン、その他色々のものを飲み込み、マラリアを媒介する蚊に刺され、自ら淋病に感染し、麻薬を試し、有毒ガスを吸入しては昏倒し、サメが集まる海に飛び込んだ……。

その結果は、現代の医療水準をとくと御覧じろ。

それはまちがいなく人類のためではあるが、背景には利他精神と虚栄心があり、突き動かすものは勇気とそれを凌駕する好奇心であったに違いない。あえて言うなら“愚行”に満ちた物語。
これは褒め言葉である。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 外国の作家:N・O
感想投稿日 : 2014年6月15日
本棚登録日 : 2014年6月15日

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