メソポタミア、ギリシャ、ローマ。古代、既に存在しゆっくりと進歩していた帳簿、会計原則の意識。中世イタリア、商業都市国家が複式簿記を生み、会計責任と内部監査のシステムが確立。神と会計がついに相容れる16世紀オランダで、国家の統治者が複式簿記を史上初めて政権運営に導入する。
しかし公明正大な会計は、それ故絶対君主を脅かし、彼らの多くは帳簿から目をそむけ、遠ざけた――。
スペイン帝国の盛衰、イギリスの産業革命、フランス革命、アメリカ独立。大改革を陰で支え、また、国王の神性をはぎ取ったもの。国家の収支を正確に記録し、時に粉飾され、政敵を貶める罠ともなり、世界を混乱に陥れもする。帳簿の発展とそれが果たした意外な役割を繙く異色の世界史。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
外国の作家:S
- 感想投稿日 : 2015年11月22日
- 本棚登録日 : 2015年11月22日
みんなの感想をみる