大学とは何か (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年7月21日発売)
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本棚登録 : 746
感想 : 69
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新書を読んで、知的好奇心を味わいたい人には
ぜひ読んでもらいたい作品です。

僕自信、新書を読んで久しぶりに興奮しました。

「大学」の歴史的な変遷を丁寧に辿りつつ、
いま現在抱える問題、その未来像まで語られた本書。

いわゆる「大学問題」自体はメディアを通じて得る程度の知識しかない
僕のような人間でも分かりやすく、かつ面白く読みました。

特に、中性以降、存在意義を見失ってゆく大学が
近代国家成立とともに価値を見いだされ、復活してゆくくだりや、
大学の没落と新しいメディアの誕生の関係性などの部分が
とても印象に残ってます。

また、僕はこれまで、なんとなく今自分達の目の前にある
大学のスタイルが古くから連綿と続いているイメージを
持っていました。なんの疑問も持たず。

本書を読んで、同じ「大学」という言葉でも
それが現す状況というものは時代・地域によっても
違うという、極めて当たり前なことに気付きました。

安易に言葉のイメージに流されてはいけない、
ということも、本書を読んで得た教訓でした。

今年読んだ新書の中では有数の面白さでした。

おすすめです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2012年10月19日
読了日 : 2012年10月19日
本棚登録日 : 2012年10月19日

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