劇団主催者の奮戦記。どのような気持ちでこれまで劇団を運営してきたか、その気持ちが伝わってくる非常に熱い本。劇団員というと、「自分たちは芸術を行っていて、日本の文化レベルを上げるために一役買っている」という勘違いかつ、鼻持ちならないプライドの持ち主をイメージしてしまう私にとっては、演劇=エンターテイメントであり、「客様が払った対価を上回る楽しさの提供」という非常にわかりやすく、納得できる機軸をもっている著者の思想に感激した。昨今、盛んに叫ばれるユーザ・エクスペリエンスとは、このような思想が生み出すものなのだろう。彼が主催する劇団の集客力がそれを証明すると思う。最近停滞気味のものづくり復活の鍵も、このあたりにあるのではないかと感じた。
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- 感想投稿日 : 2018年10月23日
- 読了日 : 2008年6月23日
- 本棚登録日 : 2018年10月23日
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