虚ろな十字架

著者 :
  • 光文社 (2014年5月23日発売)
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本棚登録 : 6119
感想 : 755
4

殺人を犯した人間の「罪の裁き方」みたいなところを題材にした作品

殺人を犯した人間は死刑にすれば良いのか?
それで残された人間の心は晴れるのか?
死刑にしたら逆に犯人の家族の心は?

その殺人に意味があったら?その殺人が誰かを助ける為の殺人だったら?

そうなると現実の裁判では情状酌量の余地あり?
人間が人間の罪を裁く事ができるのか?裁いて良いのか?

人が人を殺す事が出来る限りは永遠に悩ませられる課題なのだろう

さて作品
別れた前の奥さんが殺害されるところから始まる

そこから別れた理由が徐々に分かっていく
別れた理由は娘を殺された事がきっかけだった
その犯人は捕まり裁判が始まる
そこで裁判の理不尽さと戦う事になる

その中で別れる事になるのだが、奥さんの方はその後も裁判のあり方について色んな人から話を聞くようなジャーナリストになっていた

元奥さんの心にはいつも娘の殺人事件とその裁判の事があったのだろう

そんな元奥さんが殺されてしまう
その過程に何があったのか

ジャーナリストとしての活動の中で、一つの殺人事件を知ってしまう
全く違う話のインタビューをしている時に、高校生の時に避妊せずに性行為を行ってできた子供を殺して埋めたという告白があった

娘を殺された身としてはそれを見逃す事ができずに、その犯人達(両親)を「自首すべき」と追い込んでいく

父親の方は医者になっており、自殺願望がある女性と結婚していた
元奥さんを殺害したのはその自殺願望女性の父親だった
つまり、自首させようとする元奥さん、それによって自分の娘の幸せが崩れてしまう
実は自殺願望女性はその父親が大嫌いなのだが、父親の方はダメおやじながらも娘への気持ちがあったのだろう

少し複雑な話
色々と考えさせる作品ですわな


6/3追記
世界仰天ニュースで闇サイト殺人事件を見た
感情論で語ってしまうような形になってしまうが、死刑はあって良い量刑だと思う
ここまで残酷で一方的な犯行で、被害者には全く落ち度が無く、更に遺族のお母様の感情も考えたら死刑しかない
感情論と言われても良いが死刑しか無い
死刑になっても被害者が生き返る事は無いが死刑にするしか無い
犯人達がどれだけ反省を見せたとしても死刑しか無い
それしか無い
番組で鶴瓶さんやキャイ~ン天野くんも感情的になっていたが、この犯人達は死刑で良い
死刑しかない
お母様が活動されていた死刑判決を求める署名ができていない自分に憤りを感じるレベル

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2017年5月27日
読了日 : 2017年5月15日
本棚登録日 : 2017年6月3日

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