最近は感覚で考える方のフーダニットばかりで脳みそ労わってばかりだったので、トリックに悩まされたくなりハウダニットを手に取ろうと。と、言う事で久々の東野圭吾。
物語のテンポが良く挫折を許さないリズミカルな展開はストレスフリー、忙しい中でもスムーズに読み進めることが出来た。狙い通り、「誰が」よりも「どうやって」な本作品。茶道の心得など微塵もない私だが、丁寧な説明とそれに沿ったキャラ達の行動はとてもわかりやすく、展開につまずく事はありませんでした。「へぇ!!」「ほぅ!!」「ソウナンダ!!」ばかりではありましたが。
と言えど、やはり知識をその場で吸収した所で解明されるトリックは「だってそーゆールールだから」の前提が成り立っており、新しい知識で謎が解けると言うのはなるほどスッキリ感は薄めだ。
密室といえば の、ー針と糸ートリックのような、未更新の脳味噌でも納得出来る様なものを求めていた。つまり、鎖にまみれた謎が解き放たれる開放感はあまり感じられなかった。
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読み進めるにつれ、「誰が」の部分に少し期待はしていたもののここはセオリー通り、大きな驚きは無かった。結局この作品を読んで自分が最後のページをめくるまでに求める真実は、
『何故』 つまり動機になってしまい、「結局そうなるのか自分よ...」と本来の目的は果たせなかった模様。と言えど、手に取った目的と作品内容がミスマッチしてしまっただけで、大変面白かった。
キャラクターはシリーズ1作目という事もありやや薄めな印象だったが、読み終えた今となっては不思議と愛着が湧いており早く続編を読みたいと思っている。そんな彼 彼女らの魅力的な存在感が加賀恭一郎初めこの作品の素敵な所の1つなのでしょう。
我ながら他人事感満載のレビューだなと思うが、これからの続編に期待です!
- 感想投稿日 : 2021年6月16日
- 読了日 : 2021年6月16日
- 本棚登録日 : 2021年6月16日
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