新自由主義の復権 - 日本経済はなぜ停滞しているのか (中公新書 2123)

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  • 中央公論新社 (2011年8月25日発売)
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「日本の伝統を壊した」「格差を拡大させた」「強者の理論」との批判にさらされ、小泉政権以後最も嫌われている経済思想といっても過言ではない新自由主義(neoliberalism)であるが、その主義の本来意図するものは「市場原理主義に基づく『弱者の切り捨て』」でもなければ単なる「自由放任」でもなく、「一定の枠組みの下で、個人や企業が利益を追究する仕組みを活用する方が、社会的に望ましい結果をもたらす」、そのような「不特定多数の人々の利益を最もよく調整できる市場を最大限に活用するための、政府の役割を重視する」思想であることを日本経済史、サブプライムローン問題の事例などを引き合いに力説した。それを踏まえて具体的な政策立案にまで言及している点が評価できる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2012年3月27日
読了日 : 2012年3月27日
本棚登録日 : 2012年3月27日

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