彼岸過迄 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1952年1月22日発売)
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本棚登録 : 1838
感想 : 136
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後期三部作の1作目。

短編が集まって長編の形式を取っているし、序盤は割とお気楽な感じだから読みやすい。

中盤からとても濃ゆい。前期三部作とは全然違う。
あれも恋愛の話には違いないが、こちらの方がズドンと迫ってくる。
男の嫉妬心と猜疑心がとても良く描かれている。
私個人としては、須永の気持ちも分からんでもないけれど、千代子とくっついた方が幸せになれると思う。
ただ、千代子の気持ちに応えられるか分かんないんだよね須永は。
何だか二人の関係がもどかしくてもどかしくて。
これは、現代人が読んでも十分に楽しめる。

印象的なシーンも多々。
楽しかったり、悲しかったり、物寂しかったりもするけれど、漱石の書く日本語は美しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月21日
読了日 : 2021年2月21日
本棚登録日 : 2020年6月6日

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