カバー装画はイナキヨシコさん。思春期の不安定さを表すような三角と寒色が点在。フランス語のフォントが郷愁を帯びている。河野万里子さん訳、訳本独特の言い回しが少なくとても読みやすかった。
愛憎賞賛軽蔑混じる五角関係を南フランスの夏の海辺の眩しい自然と儚い思い出のように描き、思春期のあやうさと葛藤、残酷な感情が引き起こす結末。
セシルがバスタオルを体に巻いて鏡を見ながらヨガをしているところをアンナに見られ「インド哲学」と返したところが特に好き。
小池真理子さんの解説は日本の戦後時代背景と作家との交流について触れていて興味深い。
ゴダールが感動したというセシルカットを見るために映画も視聴してみようと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年2月9日
- 読了日 : 2023年2月9日
- 本棚登録日 : 2023年2月9日
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