「国盗り物語」というタイトルから言えば、本来は道三までで終わるのがふさわしいのかもしれない。
文字通り、外からやってきて見事に一国を盗んだ道三の、魔法のような手際の連続、ただ奪って満足せずに美濃を豊かに運営してゆく手腕。道三という人物にに惚れ惚れとする。
まずは信長の父・信秀の視線を通して、子ども時代の信長に触れ、さらに道三の弟子としての光秀が登場することで、信長の時代への期待も高まるなめらかな構成だ。
だがこれほどまでの人物なのに、身一つからスタートした道三には、望む場所まで上り詰める時間がなかった。そのどうしようもない事実が、無性に悔しく、寂しくもある。そんな2巻である。
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- 感想投稿日 : 2015年10月8日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年10月7日
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