「俺は不変でいたい。俺はお前と、縁の切れるような、そんなものには決してなりたくないんだ」
ある日大正時代にタイムスリップしてしまった高校生、光也の話。そこは曽祖父である慶光が自分と同年齢だった頃の世界。顔がそっくりな光也は勘違いされ、慶光として生活することとなる。
当初予想してたよりもBLだったんだけど、そういう問題じゃなく感動しました。
高尾さんの漫画は、基本的に難解。舞台がどこであろうと、古き良き日本的なノスタルジーを感じさせるものを描く。世界観というよりは、恋愛観が壮大なんですよね。無意味な三角関係のライバル争いとかしない代わりに、誰もが「一世一代の恋」をしている世界なの。
たとえ現代が舞台でも、「学校のかっこいい先輩がちょっと気になるんだよね」レベルの浮ついた恋愛は一切出てこない。基本命がけ。「お前のためなら死ねる」レベルの恋。しかも主人公だけじゃなく、片思い両想い関係なく脇役も全員そう。
それが重苦しく感じて、そういう気分じゃない時に読むと食傷気味になるんだけど、本当に深いから、「高尾作品にどっぷり浸りたい!」って思う時が数年に一度のサイクルで訪れるんだよね。
特に大正ロマンとかは作風に合いすぎてて絶対にヤバいわけ。最終回付近切なくて泣いたわー。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
少女
- 感想投稿日 : 2006年7月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2006年7月24日
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