バカバカしいことというのは、真剣に追求して取り組むからこそ、そこに笑いや感動が生まれるのであって、バカバカしいことをただやっているだけでは本当にバカなだけなのである。

というわけでこれは本当にバカバカしいテーマの漫画です。

簡単な粗筋を言うと、頭脳明晰、スポーツ万能、眉目秀麗、ついでにオッパイ大好きな隠れオタク高校生沢木夢人が、「π=オッパイ」という数式を実証し、ノーベル賞を獲得するため、完全なる「π」を求めて日々女性のオッパイを研究し続ける…というお話です。

ほうら、バカバカしいだろう!でもこんなにバカバカしいのに、夢人は冗談ではなく本当にノーベル賞を見据えて真剣に研究し、様々な検証をし続けていく。対象が何であれ、夢に向かって一直線に進む姿はやはりカッコイイのだった。(夢人の場合一直線すぎるが)

しかも兎丸先生の超人的な画力があますことなく使われている!画力の無駄遣い!!

いきなりバイク漫画になったりかなりノリで突っ走ってる感が爽快な作品で、8巻ぐらいから「うーん?」な展開もあるんですけど、でも最終話は綺麗に終わっていて、最後までいい具合にバカらしく、しかし感動しました。

2006年4月13日

読書状況 読み終わった [2006年4月13日]
カテゴリ 古屋兎丸

自分が「好きだ」と思うもの、思うこと(いわゆる「趣味」と称される全般)について、おそらく世の中の大部分の人は、「なぜ好きなのか」について、それほど深く考えないのではないか、と思います。
「楽しい」「面白い」「かっこいい」「可愛い」という主観的な感情が「好き」の理由としてもう成立する。
だけど漫画を心から愛している私にとって、漫画が「面白い」のは当たり前の大前提で、「なぜこの漫画が面白いのか」「なぜこの作者が好きなのか」「なぜこのキャラをかっこいい、可愛いと思うのか」ということを考えずにはいられないのです。
それ自体すでに漫画の魅力に捉えられた人間の業であって、考えても考えてもブラックホールのようにより深く漫画の世界にハマっていくだけで、ちっとも自分の「好きな理由」を言語化できずにもどかしいんですけど、この本は、そんな「業」を抱えた人たちのなりふり構わぬ対談集でした。
しかも、かなり自分たちが好きなものに対する「なぜ好きなのか」「なぜ面白いのか」が明確に言語化されていて、私としては「あああああっ、そうだったのかーーー!!!」と雷に打たれたような霧が晴れたような感覚をページをめくるごとに味わいました。
そして、私の血は間違いなく少女漫画でできている…それを今、再確認しました。
もちろん、よしながふみも対談相手の人たちも私と全く同じ考えではないので、全てが分かったわけではないのですが、出口もなくモヤモヤしていた思考に、一筋の光明が見えたような感動を覚えました。
やっぱり人と語り合うって自分の考えを整理して言語化するうえでも大事なんだよな。私も、もっと友達と漫画について語り合おう!

でも、この本で語られていることに共感できる人はきっと少ないと思うので、あんまり人には勧められないですけど(笑)

2013年10月17日

読書状況 読み終わった [2013年10月17日]
カテゴリ よしながふみ

「モテないなら戦え」と言わんばかりに、ラブコメ以外どうあってもバトルを求められる週刊少年ジャンプにおいては、たとえ舞台が吹奏楽部であろうと戦います。

作者は、前作「LIGHT WING」でジャンプ打ち切り漫画史上に残る伝説を打ち立てた鬼才、新海英雄先生。
主人公の神峰翔太は人の心が見えてしまうという特殊能力を持っていますが、それは、「心」という本来目に見えないはずのものを視認できるだけで、他人の考えてることが具体的に全て分かるわけではありません。能力というより共感覚に近いかも。
神峰が戦うのは部活の先輩でも他校のライバルでもなく、目の前にいる人の「心の闇」。目に見える「心」の姿から、その人の感じている悩みを突き止め解決していく流れは、古屋兎丸先生の名作「幻覚ピカソ」のようです。
神峰の力で自分でも気付かなかった心の問題を解決した吹奏楽部の部員たちは、格段に素晴らしい音を奏で、徐々に神峰を指揮者として認めるようになります。この展開も超アツイ!1話が読み切り並に綺麗にまとまりすぎていたので、2話以降大丈夫か?と逆に心配しましたが、杞憂に終わりました。

そもそも、「音楽」が漫画という媒体で表現するのに難しいテーマであることは、改めて言うまでもなく当然のことです。音は見えないのですから。
その見えないはずの「音の善し悪し」を、「演奏者の心」「観客の心」という観点から神峰が「見て判断できる」という設定は、お見事!の一言です。
思えば前作「LIGHT WING」において、サッカーの試合中、主人公の凄さを示すマンガ表現として描かれていたはずの背中に生えた翼をライバルキャラが物理的に引き裂き、しかも主人公も「ぐああああ」とか言って物理的にダメージを受ける・・・という光景は、「えっ翼ほんとにあったの!?」という衝撃を全国の読者に与えたものでした。
今作に見る神峰の能力、心理表現を視覚化し、物理的にそれと戦っているかのような描写、それらの特色が前作からのものであったことは間違いなく、新海先生の漫画表現への飽くなき挑戦は衰えを知りません。
本当に毎週楽しみにしているので、頑張って連載続いて欲しいです。

ネタバレ
読書状況 いま読んでる
カテゴリ ジャンプ

たとえ二次元であっても薪さんがこの世に存在する奇跡について、薪さんと同じ世界に存在できる幸福について考える時、心から生きてて良かったと思える――それほどリアルに「この人のためなら死ねる」と思わせた真性の「魔性」を、新刊が発売するたびに味わい続けた10年間でした。

薪さんがどんなに情に厚く正義感に溢れ仕事に妥協を許さず自分に厳しく人には優しく、いかなる国家権力にも屈しない強さと人を信じすぎてしまう弱さを持ち、そして、どんなに、美しかったか…!!!

あーしかしそれにしても薪さんが青木のことを好きすぎるのはもう分かったから!青木が薪さんを「好き好き」言ってるのは尊敬の域を出ない(と少なくとも本人は思っている)としても、薪さんは完全に無理だから。
途中までは私もいろいろ道を踏み外してるせいで穿った見方をしているだけって思ってたんだけど、だんだん雲行きが怪しくなってきて、滝沢登場のあたりからはもはやメロディに連載して大丈夫なのかと心配になるほど薪さんが想いを隠すのをやめすぎてる。
そして、ここまであからさまに薪さんと青木のお互いを思う気持ちはもはや信愛敬愛の域を超えているということを随所で表現しておいて、なお決定的に描かない意図はなんなのか!蛇の生殺しか!「そういう相手を俺は家族っていうんじゃないかと思います」は確かに感動したけど!こんな手紙で救われたなんて思うなよ!出してねーし手紙!!ああ確かにお前は薪さんのことが好きだよ青木!愛してると言ってもいい!だが薪さんが欲しいのはそんな敬愛じゃない!もう抱いて欲しいんだよ!抱いてやれよ!!家族とか、実際に抱いてやるまで私は納得しないからな!!(落ち着いてください)

全ての場面についてどんなに心奪われたか語りたいけど、ただセリフを抜き出して「ぐおお」「がはあ」などと謎の叫び声を上げながら体を震わせることしかできないのでやめておきます。
密かに大好きなのが、9巻で「その顔、警察のブラックリストに入れたからな。一回アレに載ったら一生…」って無駄に小学生を怖がらせて面白がるお茶目な薪さんです。アメリカで思うさま青木を罵倒してる時の薪さんも本当に楽しそうで、「良かったね」って思う。
三好先生が青木以外のいい人と結婚してくれて本当に良かったと思うし、薪さんが「4月の飲み会のあと誰と会う筈だったか」が本当に気になるので、80%損傷してても再現可能な最新技術で滝沢のMRIが見たい。

ネタバレ
読書状況 読み終わった
カテゴリ 少女

5巻まで。
本当に久しぶりにマーガレット系の恋愛漫画読んだな…。
昼休みの屋上、放課後の雨宿り、夏休みの花火、部活の試合、文化祭の告白…「オトメン」や「月刊少女野崎くん」の作中作がごとき、甘酸っぱいときめきの詰まった少女漫画です。

普通女子×イケメン男子ではなく、超絶美少女×普通男子という組み合わせが少年漫画みたいでちょっと斬新かもしれない。
ライバルとか一応出てくるんだけどすごいいい子で一瞬で身を引いてくれるので、お互いがお互いの気持ちに気づくかどうかが最大の障害になっており、周囲は意外と暖かく見守ってる感じが平和でイイですね。
続刊中なので今後どうなっていくのか分かりませんが。

ネタバレ
読書状況 いま読んでる
カテゴリ 少女

やっぱり昔の怪奇編が好きとか言ってしまうのはもう自分の中で怪奇編や外伝が確固たる名作の地位を築きすぎてるので仕方がないものの、いまだに高橋先生が夢幻魔実也を描き続けてくれることはこの上なく嬉しい。

今回いちばん気に入ったのは「変身」かな。

読書状況 読み終わった
カテゴリ 青年

高尾さんの漫画は「人形芝居」が一番好きだけど、高尾さんの漫画で一番好きなキャラクターはなんと言っても風茉くんです。
少なくとも1話につき1回は心臓を貫かれたかと思うほどときめかせてくれる風茉くんのただならぬ男らしさ!これについては今更語るべくもありませんが、風茉くんの賢さ、冷静さ、意志の強さ、行動力、負けん気、そして咲十子への愛。その全てが端的に表された名言はなんと言っても10話のこれ。

「どうやっても俺は咲十子より早くは生まれて来れないし、一足とびに年はとれないじゃないか。そうしたら、今の自分でできることなら何でも…出来ないことだってなんとか、するしかないじゃないか。年齢や姿は関係なく、想いは返してもらえるって、俺が信じてなかったら絶対にかなわない」

うあああああああ風茉くんかっこいい!10歳!だけど!!いや!10歳!だからこそ…!!!
でもでも、私がディアマインで最も好きなシーンは、20話で一美ちゃんが鋼さんに振られて九鉄に慰めてもらう場面です。なぜかここが一番泣きそうになる。

「あたしのことは好きじゃないから、恋人にはできないって。子供だからって言わなかった!あたしが鋼十郎様を好きみたいにあたしを好きじゃないからって!だから…いいんだもん」
「鋼十郎って呼んでもいいよ。何年も同じ顔が側にいて、一度も俺を身代わりにしようともしなかったろ。俺ならやってるよ。一度位いいよ。」

本当に一美ちゃんと九鉄は可愛い。可愛すぎる…。
絵も正直この頃が一番…文庫版2巻の書下ろし…絵が劣化しすぎてて辛いよ…高尾先生の絵はちょっとラフなところがふわふわしてて良かったのに、悪い意味で花ゆめライズされたパッキパキの線になってる…カラーは変わらず良いのに、すごく残念。最初見た時他の誰かが寄稿したのかと思ったよマジで。

ネタバレ
読書状況 読み終わった
カテゴリ 少女

「俺は不変でいたい。俺はお前と、縁の切れるような、そんなものには決してなりたくないんだ」

ある日大正時代にタイムスリップしてしまった高校生、光也の話。そこは曽祖父である慶光が自分と同年齢だった頃の世界。顔がそっくりな光也は勘違いされ、慶光として生活することとなる。

当初予想してたよりもBLだったんだけど、そういう問題じゃなく感動しました。
高尾さんの漫画は、基本的に難解。舞台がどこであろうと、古き良き日本的なノスタルジーを感じさせるものを描く。世界観というよりは、恋愛観が壮大なんですよね。無意味な三角関係のライバル争いとかしない代わりに、誰もが「一世一代の恋」をしている世界なの。
たとえ現代が舞台でも、「学校のかっこいい先輩がちょっと気になるんだよね」レベルの浮ついた恋愛は一切出てこない。基本命がけ。「お前のためなら死ねる」レベルの恋。しかも主人公だけじゃなく、片思い両想い関係なく脇役も全員そう。
それが重苦しく感じて、そういう気分じゃない時に読むと食傷気味になるんだけど、本当に深いから、「高尾作品にどっぷり浸りたい!」って思う時が数年に一度のサイクルで訪れるんだよね。

特に大正ロマンとかは作風に合いすぎてて絶対にヤバいわけ。最終回付近切なくて泣いたわー。

読書状況 読み終わった
カテゴリ 少女

那須雪絵作品の抜群の安定感にはいつも感謝しています。
暇つぶしに最高の漫画家、というと何かけなしてるように聞こえるかもしれませんが、重すぎず軽すぎず、何も考えずにパパっと読んで「あー面白かった!」って満足できるような、そんな漫画がとにかく読みたい!という時に、絶対間違いはありません。

「NEZ」は、犬並の嗅覚を持つ男が高校時代の同級生である刑事と協力して事件を解決していくストーリー。井上夢人先生の「オルファクトグラム」を強く思い出すキャラ設定です。最近だと森本梢子先生の「デカワンコ」も超嗅覚の子が主人公ですよね。
バディはいいよね、どうしたってだんだん信頼関係築いていく過程が可愛いもん。脇役もいい味出してて素敵!あー面白かった!
一冊で終わりみたいだけど、続きが読みたいなあ。

2013年9月29日

読書状況 読み終わった [2013年9月29日]
カテゴリ レディース

エロ漫画やん…!!!

でも信じられないことに純愛だったしすっごく話が面白かった。
ヒロインがどうしてってぐらい常にエロいことしか考えてないんだけど、それなのになんでこんなに可愛いんだろう。一途だからですかね…あとちゃんと勉強とか真面目にやってるからかも。真面目で一途な子は人の見てないところで何やってようと可愛いわ。
絵柄もすごく可愛いので、読みやすいです。

でもこれがYJに載ったって?すごいよね。
確かに面白い漫画だったけど、かつて「みかにハラスメント」が品薄になったのと同じ原理で売れまくったのかな、とも思う。

2013年9月29日

読書状況 読み終わった [2013年9月29日]
カテゴリ 青年

私が実家で犬を飼っており完全なる犬派だから、という理由でフィルターがかかってるとかではなく、間違いなく、ムーコは可愛いです。

1ページ目でタオルぴーってしてるムーコの姿でノックアウト確実です。続巻でいつまでも「待て」をされてすっごくションボリしてる顔とか可愛すぎて「ぐおおおおお」と謎の叫び声をあげながら床を転げまわり悶えるほどに可愛いです。

こまつさんのことが大好きで、楽しい遊びに全部「こまつ」と名付けるムーコ。「待て」もごはんを美味しくしてくれるこまつさんの優しさと信じて疑わず、ほぼ一日中こまつさんのことしか考えていない姿がもう愛おしくて愛おしくて、もっふもふしたいです。

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 青年

いかにもアニメ化しそうな内容なのでいつかアニメ化するのかな。

近代の文豪たちがそれぞれの特殊能力で戦う話って聞いて気になっていたので読んでみて、確かに面白かった。しかし、10年前だったらもっと楽しめただろうなあ、と感じる種類の面白さでした。
カッコいい人たちがカッコいいことを言いながらカッコいい技を出し合って戦う漫画って、もう今この年齢となっては、そういうのを求めてる時以外はものすごくさらりと通り過ぎて行ってしまうよね。むしろ最遊記とかにハマってた時代を懐かしく思い出したよね。

しかし太宰修、芥川龍之介のキャラクターは強烈ですね。「僕」と書いて「やつがれ」と読ませるか!あの椎名林檎の歌詞みたいな仮名遣いはちょっと好き。

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 青年

40巻ぐらいまで読んだ気がする。
漫画はともかく、アニメはあまりに国民的すぎるので知らない人はいないと思います。忍たま乱太郎と聞いて懐かしさを感じる全ての人に、是非原作の1話を読んでほしい。それほど衝撃的(な画力)です。

それはともかく、落乱はギャグ漫画ですが、戦国時代の忍者養成学校という設定からして、突き詰めて考えると結構深かったりします(卒業後の進路とか)。
土井先生の名言、「いくさとはもったいないものさ。浪費と破壊と消耗。そこからはなにも生み出すものはない」に始まり、「合戦場の弁当の段」で七松先輩が言った「忍者は死ぬか生きるかだ!」とか、随所にドキっとする場面があるんですよね。
そんな中、課題で合戦場に行った時、敵味方を問わず負傷者を手当てしてしまった善法寺伊作先輩のナイチンゲールぶりに心打たれた私です。
て言うか6年生は全体的にずるいですよねー。

ネタバレ
読書状況 積読
カテゴリ 少年

近年これほどわくわくして心掴まれた1話はジャンプになかったと思います。それほど1話が最高に面白かった。
いや、別にそれ以降面白くなかったってわけじゃないんだけどww

初期の頃、生意気なことを言ったアゲハの顔を、目だけ全く笑っていない笑顔で「へ~」と呟きながら意味もなく触ってただ去っていく…そんな極上のヤンデレだった雨宮さんが大好きでした。後半変な裏人格とか出てきてorz…ってなったけど。

読書状況 読み終わった
カテゴリ ジャンプ

一時期アニメを見まくってて、単行本ほしかったけど絶版すぎて探しても見つからなくて、もう手に入れるの諦めかけてたターちゃんが……待望の文庫化!!!!マジでうれしすぎる!

ターちゃんは最高にいい男なんですよ…大体ジャンプの主人公がマッチョで半裸のターザン(既婚)っていうだけで、唯一無二すぎる斬新な設定なのに、それがアニメ化するぐらい人気出たってのがまたすごいよなー…時代だよなー…。
基本ギャグなんだけど、たまにターちゃんが動物を殺したテレビ局の人間に本気で怒ったりすると、カッコイイ!とか思っちゃうわけ。ターちゃんほど読んでて自然や動物を大事にしようって思う漫画ないよ。アニメのアメリカ編で、都会の公園に座って「緑が少ない」って嘆いてるターちゃんがほんと切なくて、泣きそうになったのを覚えてる。

て言うか文庫読んで、11話でもう「ターちゃんは実は王族の息子」っていう設定が出てきてたまげた。あの設定ってこんな初期から原作にあったのか…!!!

読書状況 読み終わった
カテゴリ ジャンプ

全巻読了。球磨川くんが大好きなので8巻を登録しました。
8巻の帯の「見せつけよう。最低の人格を。」っていうキャッチフレーズが最高!

球磨川くんが最高にえげつなかった頃が一番好きでしたが、「また勝てなかった」を決め台詞に味方として戦う球磨川くんもそれはそれで好き。
とにかくあらゆる作品において無邪気で最強なキャラクターを愛してきた私にとって、球磨川くんほど「無邪気で最強」を体現しているキャラクターはいないと言えます。それに「最悪」という要素も加わりますが。

『受け入れることだよ、善吉ちゃん』
『不条理を』『理不尽を』『堕落を』『混雑を』『冤罪を』『流れ弾を』『見苦しさを』『みっともなさを』『嫉妬を』『嘘泣きを』『言い訳を』『偽善を』『偽悪を』『いかがわしさを』『インチキを』『不幸せを』『不都合を』『風評を』『密告を』『格差を』『裏切りを』『虐待を』『巻き添えを』『二次災害を』
『愛しい恋人のように受け入れることだ』『そうすればきっと』『僕みたいになれるよ』

球磨川禊にすがりつきたくなるような嘘をつかれ隊。

読書状況 読み終わった
カテゴリ ジャンプ

この漫画が理屈なく大好きです。

ストーリー、キャラクター、絵柄、どれを取ってもリボーンを上回る作品は世の中に数多く存在すると言わざるを得ません。

しかし、なぜか私は大好きなのです。

どんなに深い過去からの因縁も2,3話でわだかまりが消えるスピード解決ぶり。面倒な原理は説明せず「なんとなく凄い」「天才だからできた」で終わらせる潔さ。開始時に設定されたルールは毎回無視され、必ず途中で目的が変わる節操のなさ。前のページまでいなかった人物が突然登場しても「いつの間に!?」「俺はずっといたぜ!」の会話で済ます展開の曖昧さ。それどころかキャラの年齢までも「実は中2だったのに一年間ずっと中3だと思っていた」という勘違いオチで強引に操作。どんなに重症でも息があれば必ず蘇り、100%死んだ敵でさえパラレルワールドで生きているという、命に対する抜群の安心感。

この日曜朝のヒーロータイム並に「展開は子供騙しでトンデモナイけどとにかく正しいことをやってくれる感」が、私がリボーンを愛する理由なのかもしれません。

読書状況 読み終わった
カテゴリ ジャンプ

荒木飛呂彦先生がパスタを作っているところを見ている松井優征先生の動画が面白すぎました。こういう企画はアプリならではですよね。
波紋の使い手で年齢がおかしい荒木先生とイケメンの松井先生のコンビがなんとも言えず!まさか一緒に動画に映るとは思わずに連れてこられ、エプロンも着けずにアシスタントしてた松井先生が可愛い・・・。
他にも天野明先生、許斐剛先生、鈴木信也先生などジャンプ作家の新作連載や、福島鉄平先生の新作読み切りなど、垂涎もののコンテンツが満載。更に私の愛する「新米婦警キルコさん」の続編が4話掲載されるなど、毎日ジャンプが発売されるぐらいの喜びに沸いた一ヶ月でした。

9月以降は名作漫画の再掲載などしつつ、冬にまた新作漫画を大量掲載する企画進行中だそうです!

これは絶対買いの神アプリですよ・・・!

読書状況 使っている
カテゴリ ジャンプ

一応伯爵が盗賊で少佐がそれを追ってるみたいな話だってことは知ってたんですが(実際はそれも微妙に違ったけど)、1話の1ページ目から全然その知ってる情報と違うものが現れたので度肝抜かれました。いきなり知らない3人出てきて「彼ら3人はエスパー」とか言われても困るよ…っ!!長期連載してるうちに初期の設定が忘れられることは良くあるけど、最初から少佐が出てきてたわけじゃないんだって知ってすごいびっくりしました。シーザー・ガブリエルとか今どこ行ったんですかね?

それにしても、少佐…!カッコよくて頭もよくて運動神経も抜群で「鉄のクラウス」とか言われて各情報機関に名を轟かせている存在なのに、なんてダメな男…!この絶妙なダメさ加減がすごい愛しいですね。
任務のために善良市民を演じようとして子供に泣かれる少佐とか、毎回伯爵の変装を全然見破れなくて激怒する少佐とか、強制的に休暇をもらったら「本人にさえ内容を明かさない極秘任務か…」と誤解する少佐とか、シスターにだけ死ぬほど優しい少佐とか、アンダーシャツが欠かせない少佐とか、回が進むごとにどんどん可愛くなっていくから危ない!

つーかこの漫画、途中からパターンが毎回同じで、
伯爵が新しい美術品に目をつける→時を同じくして少佐に任務が与えられる→同じ国に出かける→少佐の任務にとって重要な証拠を伯爵が入手→「少佐に素直に渡すのも癪だなぁ。ちょっと遊ぼう」→もたもたしてるうちに敵に奪われる(少佐激怒)→ドタバタの末、協力して任務成功(泥棒も成功)
て言う感じなんですが、このすれ違いっぷりと言うか絡みっぷりというか、とにかく毎回絶妙で、何人もの人が個々に複雑な動きをしながら、それがパズルのように一つの目的に収まっていくのが読んでて非常に爽快です。て言うか天才です。

ネタバレ
読書状況 積読
カテゴリ レディース

雁須磨子さんの、テキトーな口語っぽいセリフがすごい好きです。
「わたしもホラこういう…はい、ね、空気読めないとか、でも元からの性格でもうそういうのはしょうがないじゃないですかっていう」とか(笑)
普通セリフってもうちょっとスッキリ書くものだと思うんだけど、本当に喋ってるのをそのまま書き起こしたようなリアルな会話を描くんですよこの人…それを考えて描けるのが不思議だなぁって毎回感心する。
だから、省略されてたりとぎれとぎれだったり、全然分かりやすい描かれ方じゃないんだけど、でも、全然自分と違う境遇の話でも「分かる分かる!」って思える。
茨田さんかわいいよー!

読書状況 読み終わった
カテゴリ レディース

何も起こらない平和な話が好きです。
その中でも特に、「すごい力を持っているがそれをどうでもいいことに使っている」「良く考えるとすごいことをしているが、全然すごく見えない」この二つのポイントが加わると、もうその作品は自分の中で最高峰に上っていきます。

主人公の音無キルコさんは、元特殊部隊ファントムの隊長を務めたほどの戦闘のプロですが、現在は流島にある末端の交番で、ありあまる戦闘技術を持て余しながらも新米婦警としてお仕事しています。
常にトンファーブレイドを携帯し、車より早く走り、壁を登り、素手でコンクリートを砕き、ロケットランチャーで真正面から撃たれても死なない。こんなハイスキルな彼女が、下着泥棒を追いかけたり小学校で交通安全を教えたり商店街のキャンペーンに出たり、慣れない婦警のお仕事に四苦八苦してるギャップが良いのです。

また、その強大すぎる力のために警察学校でも研修でも煙たがられ何もさせてもらえなかったキルコさんが、1話で「責任は全部俺がとる!思いっきり行け!」と言ってもらったことで、先輩のハルキを心から信頼して従順についていくところがもーーーたまらなく可愛いんですよ。ハルキが基本的にダメ人間なところも良い!

ああ、本当に可愛いキルコさん!ずっと安定的に面白くて最高の作品だったのに、なぜ打ち切りで終わってしまったんでしょうか…。

読書状況 読み終わった
カテゴリ ジャンプ

沙村広明と言えば「ブラッドハーレーの馬車」が割とトラウマでこれも最初買う気なかったのですが、評価高いようだったので買ってみました。

評判通りいろんなジャンルの短編が入ってて、すべてが完成度高くて面白い!
特に私は「制服は脱げない」シリーズがお気に入りです。すごく悲惨な漫画を描く人のグダグダしたどうでもいい話大好きなんですよね~。あと「ブリギットの晩餐」もすごく良かった。ああいうピュアな話は救われる。もうちょい長い予定だったってあとがきに書いてあったけど、確かにもっと掘り下げて読みたかった作品かも。

読書状況 読み終わった
カテゴリ 青年

「魔人探偵脳噛ネウロ」で人気を博した松井優征先生の意欲作。
地球を救うために中学生が強大な力を持った生物と戦う、という構図ながら、その内容は、E組に落ちて腐っていた生徒達が殺せんせーの熱血指導で蘇っていく、というハートフルな教育漫画の様相を呈している不思議な展開。
殺せんせーと生徒達の心の通わせぶりを見ると一昔前の学園ドラマのようなんですが、生徒達は隙あらば殺せんせーを暗殺しようと仕掛けるので、それがなんとも言えない斬新で独特な空気を生んでいます。
パロディ好きの松井先生ならではの小ネタも随所にちりばめられ、爆笑ではないんだけど、毎回どこかでクスっとできるのが楽しい。
「人間ではない何か」が「人間」の進化を促すという、根底に流れるのは前作から変わらないテーマですね。
しかし、ネウロというキャラクターが私の中であまりにも絶対的すぎて、どうしてもあれを超えられないんだよなあ・・・これはもう、完全に個人の好みの問題。内容は十分すぎるほどに面白いし、今後の展開も楽しみにしているのですが。

2013年8月27日

読書状況 いま読んでる
カテゴリ ジャンプ

全巻読了。

「ひたすら信じてついてきてくれた読者に最大の感動をもたらしてこそ、プロの責任を果たせるというものじゃないかっ!」とは島本和彦先生「吠えろペン」の中での藤鷹ジュビロのセリフですが、藤田先生はマジでそういうこと言ってそうでカッコいい。

「からくりサーカス」は私にとっては一生読み続けたいと思うほどに大好きな作品だけど、万人にとってそうではないのも分からないでもない。まず長い。伏線が多い。因縁が複雑。
それでもなんでも、これほど魂のこもった漫画には滅多に出会えるものではないのです。

あと、とにかくギイ・クリストフ・レッシュというキャラクターが存在する奇跡については、原稿用紙を何枚もらっても書ききれないほど語りたい本当に。わざわざ41巻を登録したのもこの巻が神すぎるから!
「伝説の人形2000体破壊者」「オリンピアの恋人」。この人がいなければ物語は何も始まってないぐらいの勢いで功労者。
最古の3人の元を離れたエレオノールが人形使いを習ったのはギイ先生で、鳴海にしろがねの心得を教えたのもギイ先生で、マサルに人形の操り方を教えたのもギイ先生。主人公3人全員の師匠!だぞ!!

「幸せにおなり」は漫画界屈指の名言で間違いないとしても、数あるギイ先生の名言の中で私が一番好きなのは、上海行航空機の中で自動人形に襲われたところです。
子供の身代わりになって自動人形に指を7本折られた上、体を張って爆発を止めたせいで満身創痍の状態で空中戦しなきゃいけなくなったギイ先生が、「おやおや、折れた肋骨が肺に刺さったらしい。あと右上腕骨と左膝蓋骨にかなりの損傷。ほかもひびがあちこちにか。でもな、オリンピア……僕は負けないのだなァ。」って言いながら雑魚を一蹴するシーンが何度読んでも心臓鷲掴みにされる!痺れる!
私がギイ先生を好きすぎるからではなく、全人形の中でもっとも美しいのはオリンピアで間違いないと思います。
黒賀村編も最高に好きで、マサルの師匠として厳しく人形繰りを教えながらも、ミスターXとか名乗りながら密かに大会を見にきたり、駄菓子屋の店員やったり、お茶目な先生がたまらなかった。もう何もかもが理想すぎて思い出すのも辛いぐらい好きです。

しかし、ギイ先生に出会えただけでも、私がこの作品を一生愛する理由としては十分すぎますが、ギイ先生は関係なくても本当に素晴らしい作品であると再度主張させて頂きます。

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カテゴリ 少年
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