戦時、そして戦後の神戸を、中学生~中学卒業時の少年Hの視点から描く。疎開、空襲、原爆を経て、物心ついた頃から続いていた戦争が、ラジオの放送でパタリと終わる。手のひらを返したように変わる人、変われない人、やっと本心を語れるようになった人、急速にもてはやされる「デモクラシー」論調。その中で「最初から分かっていたはずなのに」と葛藤する、Hや盛夫の心の動きを読んでいると切なくなる。そして、ひとはたくましいと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
戦争・紛争
- 感想投稿日 : 2011年3月30日
- 読了日 : 2011年3月29日
- 本棚登録日 : 2011年3月30日
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