文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2002年9月5日発売)
3.96
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本棚登録 : 6742
感想 : 552
5

一番好きな作家の一番好きな作品。

殺人事件が起きて探偵が犯人捜して事件を解決する、という流れなので、分別するときっと推理小説なのでしょうが、いやはやそんな通り一遍の括り方なんて全く以って出来ません。

殺人がそこかしこで起きますが、全体像が全然掴めないので何をどう考えながら読み進めれば良いのか分からない。
犯人も黒幕も1人ではないので後半に至ってもやっぱり何が起こってるのか分からない。
ただ、随所に散りばめられた伏線を探偵役が綺麗に回収していく為、モヤモヤ感と爽快感を共存させながら読んでいけます。
そして最後の一行を読んだ後、幻想的な冒頭に戻って事件の全容を知った時、きっと驚愕します。
声が出ます。腰が浮きます。

身内の人間同士の掛け合いも薀蓄も面白いし、シリーズの過去作品に出てきた人物が今作にも関わってきたりする楽しさもあります。

ミステリーや推理小説好きの方にはたまらない作品だと思いますので、ぜひご賞味下さい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年3月29日
読了日 : 2014年6月1日
本棚登録日 : 2014年6月1日

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