十二人の手紙 改版 (中公文庫 い 35-20)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年1月25日発売)
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本棚登録 : 2911
感想 : 297
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読友さんの感想を読んで、大好物の書簡体小説とのことで手に取る。昭和初期のノスタルジーに浸るだけではなく、人生ドラマが集約された濃い内容。暗い、怖い、辛い内容なのだが、何故かどんどん引き込まれる。12人の手紙の内容は不倫、偽装、兄弟愛など多様。特に、公的文書(出生届、転出届、妊娠届、、、死亡届)からある人物の人生を視るが、恐怖でしかない。最後の登場人物の”集結”は井上ひさしの小説だからこその不思議な魅力を実感した。書簡体小説は好き嫌いがあるようだが、まずはこの本を読んでから判断をするべきかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 恐怖、ホラー、グロテスク
感想投稿日 : 2021年5月27日
読了日 : 2021年5月27日
本棚登録日 : 2021年5月27日

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