46番目の密室 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1995年3月7日発売)
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本棚登録 : 3562
感想 : 382
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 これはまたオーソドックスな雪の山荘もの。まさにタイトル通り。クリスマスパーティに密室物の第一人者であるミステリ作家の軽井沢の山荘に招待された同業ミステリ作家や編集者たち。その夜に起こった連続密室殺人事件。交通が途絶するというわけではないが、関与する人物が限られている。招待者の中にいたアリスと有人の探偵役火村が、警察の許可を得て真相を解明する。というまあ陳腐過ぎる設定ね。トリックは多少無理がなくもないし、そう短時間でうまくいくかなと思わないでもない。犯人も必然的に絞られてしまう。まあ、でもこういう古典的なトリックメインの直球勝負ではこのへんが限界だろう。悪くないと思うよ。難をいえば動機が今ひとつな点かな。
 ぼくはアンチ社会派なので、こういう絵にかいたような本格物には点が甘くなる。そんなわけで作中では幻になってしまった本当の46番目の密室がとても気になるんだけど(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内ミステリ
感想投稿日 : 2012年12月31日
読了日 : 2012年9月22日
本棚登録日 : 2012年12月31日

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