46番目の密室 (講談社文庫)

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著者 : 有栖川有栖
制作 : 綾辻 行人 
  • 講談社 (1995年3月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061858961

46番目の密室 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ネタバレありあり。
    火村シリーズには珍しく、江神シリーズのような、
    青春小説的な雰囲気がある。
    火村とアリスの、大学での出会いのシーンなど。

    内容は、
    推理作家の家に招かれたアリスたち。
    編集者や、新人作家など、なんだかいわくのありそうな人たちである。
    その夜、スプレーで落書きされる、靴にワインが注がれる、
    石灰がまかれる、などのイタズラがされる。
    共通点は「白」(白スプレー、白ワイン)らしい、ということは
    分かるが、それが何?となるアリスたち。

    そして、その晩、事件が起こる。
    宿泊客は2階にいたが、
    1階で、ここ数日、屋敷の近辺をうろついていた男が殺される。
    しかも、部屋は密室であり、死体は暖炉で燃えていた。
    ここが、一応密室になっているのだが、作者自身も認める
    肩すかしなので、気にしなくていい
    (セロテープを貼って、扉の下から糸をくぐらせ、引っ張ってはがした。
    まあ「隠し通路」と並ぶ、「分かっててやってます」感のある、
    肩すかし)
    さらに、地下の部屋でも、屋敷の主である、作家が殺されており、
    ここも密室になり、死体が暖炉で燃やされている。
    ちなみに、こっちは、意図せざる密室パターン。
    ただし、死にかけの被害者が閉めたパターンは不可能なので、
    一応、まだマシなほう。不可能犯罪である。

    さて、有栖川お得意のパズラー部分だが、
    石灰の足跡を踏んだのは誰か、という謎。
    (以下、ネタバレ)


    この謎は、結局、踏んだのはアリスであり、
    階段が薄暗かったので、最初は足跡に気付かなかった(なんで?)
    このスリッパを履いたまま外に出たので、
    スリッパから石灰の粉が落ちた
    (結局、スリッパを拭けばいいだけの話で、誰でもいいのでは?)
    で、最初にアリスを介抱していた奴が犯人、という
    もっとも犯人らしい奴が犯人というパターンになってしまっている。
    このスリッパのくだり、いらねえんじゃねえの?という感はある。
    読者を惑わす、意味なしヒントだったのだろうか。

    もう1つ、消えた石油缶問題があり、
    裏口という、もっとも近い所から石油缶を取らず、
    わざわざ離れたガレージから石油缶を持ってきたのはなぜか、という話。
    こちらは、あまり真剣に読んでいなかったので、
    検討していない。
    理由としては、裏口から持ってくると、すぐばれてしまうから、
    というものだったが
    (計画的に準備していた、というのがポイントで)

    そしてメイントリック。
    犯人は、殺してから、暖炉に押し込んだと思わせて、
    実は、暖炉に首を突っ込んだ被害者の上から、
    「糸を付けたつぼ状のもの」を落として、殺した。
    で、糸を引っ張って回収した。
    このつぼ状のものが何なのか、最後まで分からなかった。
    ボーリングの玉とかなら死ぬだろうが、
    糸のまきようもないし…。
    暖炉の中に、ちょっとした謎が書いてあり、それが伏線になっている。
    解くと「虹」だと分かるが、それが何?という、
    「白」と同じタイプの、意味なしの謎。

    それにしても、密室の煙突が開いているなんていう、
    超初歩的な手を使ってくるとは思わなかった。
    この「あきれ」感は、
    島田荘司が、犯人当てで、容疑者が右利き・左利きとか
    言いだしたとき以来の、「あきれ」である。
    今さら、そこ?という。
    普通、網が張ってふさいであるものだが
    なんか「5分間ミステリー」並みのしょぼさである。
    (網が張ってあるとは、どこにも書いてない、というレベルの)

    最後に「白」の謎。
    犯人は、自分の部屋の前に石灰をまいて、一晩中
    外に出ていないことをアピールして、アリバイを作りたかった。
    あとのイタズラは、石灰を撒くためのカモフラージュ。
    しかし、一人だけアリバイがあったら、逆に怪しくなる気がするが…。
    スリッパを途中で脱げば、それまでだし。

    まあ、犯人当てが主眼なら
    (屋根に登れたのは、誰か、という限定が目的なら)
    このトリックのしょぼさも、仕方ないのかな、とは思うが。

    謎の多さも、そこそこで。可もなく不可もなく、という出来。
    トリックも、しょぼいとはいえ、一応、トリックの体をなしているし。
    しかし、切れ味が無い。論理展開が「売り」なのだから、
    そこの「限定過程」に、もう少し、切れ味がほしかった。

  •  有栖川有栖作品、再読強化月間中。
     講談社文庫の方を読んだのですが、最後まで読んで解説が綾辻だったことに気がついた。綾辻の解説を読んで、「ああ、分かる分かる」と納得する部分が多々。
     綺麗なんだよ、有栖川の話って。一つ一つがうまく組み合わさってるから、すごく綺麗。トリックロジックは言わずもがな、キャラクタもいいし、ユーモアもあるし、皮肉も入ってるし。本当に綺麗。ただ、綺麗すぎてあまり印象に残らないんだよなぁ。あっと驚く結末に関しては綾辻の方が上だし。(当然だけど、あくまでも自分にとっては、の話。)
     この話もトリックロジックがすごく綺麗で、読みやすい。「ああ、ミステリを読んだ」あるいは「本格だなぁ」と思える話。動機がね、有栖川らしく人間味があるというか切ないというか、「そう言う動機、ありかよ」と思ったりもしたけど。
     どうでもいいが、この作品、作家アリスシリーズの第一弾だったんだねぇ。道理で、アリスが「探偵としての火村を初めて見る」とか言ってるわけだ。これ以降なのかね、アリスを助手として連れ歩くようになるのは。

    05.03.15

     **

     有栖川再読強化運動中(二度目)。

     前はすぐ諦めちゃったから、今回は一年かけて、作家アリスシリーズを読み切れたらなと。
     さすがに三度目となると、犯人と動機は覚えてました。トリック? 何の話ですか?
     やっぱりなんつーか、うめぇなぁ。しみじみと思う。綺麗なんだよなぁ。ひとの書き方も犯罪の書き方も。綺麗にまとまっていてすとんと読める。もちろん犯人が分かったときとか、謎解き部分で「ああそういうことか!」っていう驚きはあるんだけど、それでも綺麗にまとまっている。有栖川作品は基本的にそういう系統が多いから、誤解を恐れずに言えば印象に残らない。だからこそ、裏切られることがないんだな、って思った。
     全部、ちゃんと、面白い。すげぇなって思う。
     途中、アリスと火村の推理が食い違ったところ、あれ、学生アリスだったらもうちょっとちゃんと理詰めで考えたんじゃないかな。作家アリスは甘い。学生アリスはトゲトゲしてる。そこを意識して書き分けているのかは分からないけど。
     抜粋。
     物語最後のとある人物のセリフより。


    「俺だけが知ったんだ。俺だけのものだ。俺だけが知っている」


     なんかもう、いろんな気持ちがごっちゃになってるんだろうなぁ。何て言っていいか分からないくらいぐっときた。

    16.01.25

  • 全然、わからなかった…(´-`)

  • 面白かったー!火村とアリスの関係が良いです。

  • 火村先生初登場の作品で、私が国内ミステリにハマるキッカケになった作品でもあります。
    当作は、火村サイドでは一番好きな作品です。
    二人の馴れ初めエピソードには笑わせていただきました。

    当初、語り手が三十代の関西弁キャラだったことに抵抗がありました。
    東北の人間にとって関西人は縁が薄いので、大袈裟な表現になりますが、翻訳ものを読んでいる感覚に近かったです。
    アリスのキャラに好感を持ったこともあって、関西弁の違和感はすぐ消えましたが。

    当作では、アリスと火村先生の年齢は32歳でした。
    二人が35歳になってからはサザエさん状態になっていますが、物語上では三年前の話なのに、とても初々しいです。

    今と比べて、当作のアリスはかなりのドジっこです。
    犯人に殴り倒されたり、屋根から落ちそうになったり。
    間違った謎解きをするのは、火村先生に正しい推理をさせる為にワザとしているのですが、よくそんなことを思い付くなと呆れられることもしばしば。

    クールガイの火村先生もフレッシュで、可愛らしい軽口をよく叩いています。
    刑事さんに対して、今の火村先生からは考えられないようなことを言っています。

    「未来の妻の名にかけて」
    「ドラえもんじゃねえんだから」
    「格好だけならサルでもできる」
    「32歳にしてサンタを見たのか」

    こうして挙げてみたら、殆どアリスに向けてのものでした(笑)
    火村先生はアリス以外にはジェントルな態度だものね。

    密室の巨匠・真壁の別荘で開かれたクリスマスパーティに、アリスと火村は招待される。
    真壁は現在執筆中の作品を完成させた後、引退するらしい。

    白いものだらけの悪戯に、二つの死体。
    死体は共に、密室状態で発見されて、頭を暖炉で焼かれていた。

    殺人の動機は、当時驚いたものです。
    だって、ホモだよ?

    トリックは、煙突に凶器の壷を落とすといったものでした。
    煙突のある家って、そんなにないよねえ。
    しかも、二本もあるし。
    さすがは、ミステリ作家の住んでいた家ですね。

  • 火村先生結構キツくないですかあの場面での有栖への物言いが。

  • 気になってたアリスと火村のコンビシリーズ第1弾。ドラマでやってたからそのキャスティングで頭ん中では火村は斎藤工さんでアリスは窪田正孝くんになってます。『密室』の響きには本格的なトリックに対する期待感が高まります。今回、じっくり謎解きを楽しむことができました。ラスト犯人だけが天上の推理小説の一片に触れることができたのは哀しい中にも一筋の光がさしたような気持ちになりました。

  • トリックがいつも通り気持ちいい。アリスと火村で二次が作られるわけだ。狙ってるだろと思ってしまう。

  • 今までなんだか近づきがたかった有栖川有栖に挑戦。
    著者が有栖川有栖、主人公の有栖川有栖も推理小説家であるという設定になじめない。
    ーーー
    45の密室トリックを発表した推理小説の大家、真壁聖一が殺された。密室と化した地下の書庫の暖炉に上半身を突っ込むという凄惨な姿であった。彼は自分の考えた46番目の密室トリックで殺されたのか? 推理小説家・有栖川有栖とその友人で犯罪学者・日村英生のコンビが怪事件の謎に迫る! 新本格推理小説。

  • 密室ものが好きではないのだが、有栖川有栖と火村英生のコンビは好き。何故、密室にしたのかと考えがちだが、その考えを変えることも必要か。

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45の密室トリックを発表した推理小説の大家、真壁聖一が殺された。密室と化した地下の書庫の暖炉に上半身を突っ込むという悲惨な姿であった。彼は自分の考えた46番目の密室トリックで殺されたのか。推理作家・有栖川有栖とその友人で犯罪学者・火村英生のコンビが怪事件の謎に迫る。

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