ほんとうの憲法 ──戦後日本憲法学批判 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2017年7月10日発売)
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感想 : 8
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憲法の内容、とくに9条の条文に対する昨今の世間の解釈が、いろいろなところに障害をもたらしているということを、その成立背景などを詳細な文献をもとに説かれています。憲法はなぜ9条を設けているのか。交戦権とは何なのか。戦争放棄という概念に対する世間の認識は誰が醸成しているのか。戦前の大日本帝国憲法から始まる、憲法学者による憲法への解釈の歴史を知ることで、それが分かってきます。
日本国憲法を作ったのは誰かということよりも、それがその後の歴史で日本人のとらえ方という面で成長してきたものなのだと感じました。それだけ強い思いがここに込められていて、それ故に歪みも発生してしまっているのだと思います。今一度、冷静にその歴史を見つめることで、呪縛から逃れ、国際平和の一員となりたいという著者の強い思いを感じることができます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治
感想投稿日 : 2018年6月4日
読了日 : 2018年6月4日
本棚登録日 : 2018年5月21日

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