平和な数年が過ぎたが、またしても戦いが始まる。
この間にアテルイは親友で参謀役の母礼(もれ)の妹・佳奈と結婚し、子供ももうけていた。
いよいよ坂上田村麻呂も登場。
天皇の信頼篤い近衛で、若い頃には東北まで行かされることはなかった。
いずれは相手になろうと見込んで、京の都で店を構えている物部の天鈴が、アテルイら主立った若手を京都に招く。
大胆にも敵のお膝元で、田村麻呂にも顔合わせしようというのだ。
互いに好敵手と認め合う田村麻呂とアテルイ。
すぐには戦にはなるまいと知り、これは休戦期間同様と堅固な砦を築く。
和議や分裂といった動きも何度か図られるが…
遷都をめぐって、民の心を一つにするために蝦夷の脅威が語られ、政治的に利用される。
蝦夷は元々は出雲の出で、後に入ってきた朝廷の祖先に追われ、東北へ移ったという由来も。それで追っても当たり前の獣同然と言い伝えられるのだ。
後に副将として田村麻呂が派遣されるが、慎重論に過ぎると役を解かれ、その結果またしても朝廷軍は惨敗。
ついに田村麻呂が全権を握った上での戦いの時が。
対峙する両軍。
予想された戦いが行われず、アテルイの見込みが外れたため、離反する者が出たという噂が立つ。
数年後との戦いで村は焼かれ、土地は荒れる。
闘う意味も知らない子供達に平和な暮らしをさせてやりたいと、アテルイは策を巡らす。
蝦夷の生き残りのために、自ら孤立していくのだ…!
最後にアテルイの意図に気づいた田村麻呂。
重厚な作品でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史もの
- 感想投稿日 : 2011年6月9日
- 読了日 : 2011年6月9日
- 本棚登録日 : 2011年6月9日
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