「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズの新作。
時代は第一次大戦中。
前作で出会った男アリの依頼で、従兄のマーシュ公爵を救うため、ホームズと妻のラッセルは彼らの生まれた地へ赴きます。
豪奢な邸宅ジャスティス・ホールを中心に展開する大貴族の暮らしぶりがありありと描かれ、読み応えがありますよ。男勝りのラッセルもあわててドレスを取り寄せたり、鳥撃ちで銃の腕前を披露したり。
マーシュは長兄とその一人息子の死でやむなく跡を継いだのですが、その甥が戦場で不名誉な死を遂げたことも心に重い影を落とし、生きる屍となりかけていたのでした。
戦争の無惨さや当時は兵士が裁判もなく処刑されていたことなど、苦い現実を取り入れています。
このシリーズは引退後のホームズがあろうことか結婚し、夫婦で事件に関わっていくという一種のパスティーシュ。
既に8年がたち、今回の事件は余りホームズものである必然性はありませんが、大勢の個性豊かな登場人物を巧みに配し、公爵家の跡継ぎ問題をドラマチックに盛り上げています。
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カテゴリ:
歴史ミステリ
- 感想投稿日 : 2006年12月18日
- 本棚登録日 : 2006年12月18日
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