草の上の朝食 (中公文庫 ほ 12-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2000年11月1日発売)
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転がり込んできた友人と4人での共同生活。
のんびりだらだら、ちょっとした興味とこだわりを持ちつつも、寛容に暮らす心地よさ。
主人公が寝ていると声を掛けて起こし、しょうもない相談を持ちかける後輩のアキラ。
アキラのガールフレンドのよう子が紅一点。
綺麗な子でアキラにはもったいないのだが。
4月に連れてきたまま一緒に住んでいる。働いている様子もない。

よう子は、毎日、近所の猫に餌をやり続けている。
これがだんだん大変になりつつもすっかりはまっていて、恋愛もおろそかになっているのかも?
人口密集地帯だったらご近所と揉める話になるけどね。この場合は農家も近くにあるような住宅なので。

会社勤めの島田も、6月から転がり込んでいる。
これは会社を辞めて小説を書きたいと社長に言ったら、何と俺の伝記を書けと言われて、給料を貰いつつ家にいる。これは幸運ですねえ??

主人公は、休日は競馬に言って、常連と半日を過ごす。
儲からないが大損もしない。
行きつけの店で働くウエイトレスの工藤さんにそこはかとなく好意を落ち、ゆるゆると彼女が出来て…
顔立ちも派手で化粧も派手、ちょっとケバいところがエッチっぽくて好みなんだとか。
それほど草食系ではまだない?

フリーター文学といった評価もあったような。
93年の作品。
…バブルこそはじけた後だけど、阪神大震災も起きる前。
今思うと、平和な時代だったんですね…

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2011年4月13日
本棚登録日 : 2011年4月13日

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