緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2011年11月11日発売)
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感想 : 19
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フランスの田舎町を舞台のミステリ。
シリーズ1作目、好評だったようです。

フランス南西部、ラスコー洞窟に近い風光明媚なサンドニ。
警察署長が常駐してはいますが、村長の直属で、部下はいないという~交番の駐在さんみたいな存在なんですね。
ブルーノ署長は10年この村に馴染んで、皆のために心を砕いている好人物。愛犬ジジと暮らしている39歳の独身男です。
孤児として育ち、ボスニア戦争に行った経験もあるという。そういう過去があるからこそ‥というところも。
今は平和なこの村で、尊敬するマンジャン村長をひそかに父のように思い、美しい景色と美味しい食べ物を存分に味わっている様子が描かれて、ちょっとコージーミステリのような雰囲気も。
フォアワグラ、トリュフ、胡桃が名物の村。ワインやチーズや手作りの料理の美味しそうなことったら!

そんな村に、突如起こった殺人事件はけっこう陰惨で、骨太な展開となります。
フランスの警察機構というのは変わっていて、地元にいる憲兵隊と国家警察とが縄張り争いをしているんですね。
ブルーノは地元警察でありながら、捜査からも最初ははずされている存在。これが活躍を見せるというわけ。
国家警察のジャン=ジャックとは信頼関係にあり、新しく赴任した都会的な美女イザベルとは惹かれ合うことに‥

EUに参加してから、イギリスや北欧からやってきてこのあたりの別荘に住む外国人も増えているそう。
フランス人の側から描かれていますが、実は作者はイギリス人。25年のキャリアを持つジャーナリストで、夏はこの地域で過ごしている人。
道理でやけに詳しい描写があると思いました。
ドイツにも「幸福とはフランスに住んで神のように暮らすこと」ということわざがあるそうで、人もうらやむ暮らしのようです☆

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(ヒーロー)
感想投稿日 : 2014年5月18日
読了日 : 2014年4月22日
本棚登録日 : 2014年4月24日

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