穢れた風 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2017年10月21日発売)
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本棚登録 : 160
感想 : 27
5

刑事オリヴァー&ピアのシリーズ5作目。
オリヴァーは主席警部で、ピアは同僚です。
これでやっと順番通りの刊行になる?
とはいえ、4作目を読んだのがだいぶ前なので~刑事たちの人間関係を思い出すのにしばらくかかりましたよ。

風力発電建設会社で、妙な事件が起きます。
ドイツでは、原子力に頼らない再生可能エネルギーの開発が盛んになっているそう。
彼らの住む州には、フランクフルトを含む都市部と風光明媚な郊外の両方があり、風力発電はまだ盛んではないとのこと。
メルヘン街道もあるそうですから、景観破壊になっては困りますよね。

オリヴァーの父親は伯爵で、地元の名士。
事件に関係する老いた農場主は、古い知り合いです。
この農場が美しいところなのですが、風力発電会社が用地買収しようとし、一方では反対派が集結して騒動になっていました。
反対派というのも、一枚看板ではありません。
市民運動家、恋人だから応援する女性、女性に憧れる少年、事情を抱えた人物‥
個性豊かで人間臭い描写は、この作家が得意とするところですね。
しかも、事件には背景があり、スケールを大きくしていく‥!?

4作目で、チームのメンバーにも変動があったのですね。
オリヴァーは妻に去られ、まだ動揺が激しく捜査に集中できないでいます。
しかも、ある出会いから、また振り回されることに?
あらまー‥
ピアのほうはオリヴァーの代わりに自然とリーダー格になり、充実した日々。
ところが仕事に熱中しすぎて、今度はせっかく上手くいっていたパートナーと?
おっと‥

しかも、最後に爆弾発言が?!
読みごたえのあるこのシリーズ、本国では8作目まで刊行されているそうですから~
続きも楽しみに待っております☆

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(未分類)
感想投稿日 : 2018年4月5日
読了日 : 2018年3月8日
本棚登録日 : 2018年4月5日

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