生者と死者に告ぐ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2019年10月30日発売)
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本棚登録 : 156
感想 : 28
5

オリヴァー&ピアのシリーズ、第7作。
ドイツのミステリです。

オリヴァーは主席警部で捜査のリーダー。ピアは恋人ではなく、仕事上のパートナーです。
散歩中の女性がライフルで遠くから射殺される事件が起きた。
ピアは夫と休暇旅行に行くはずだったが、人手不足の時期に難事件が起きたのを案じて取りやめる。
次々に射殺事件が起きるが、被害者は誰も恨まれるような人柄ではなかった。
捜査は難航するが…?
思いがけない事件の描写がシャープで、ミステリとして興味を引く内容。

オリヴァーは離婚後、幼い末娘を可愛がって、ようやくだいぶ落ち着いた暮らしに。ただし、今の交際相手とはどうも仲が深まらないので別れを考えている。
今回は捜査に州の事件分析官が参加するが、これがやや戯画的というか、口は達者だが的外れで、お荷物になってしまう。
ピアの妹キムが登場、実は司法精神医で、彼女の見立ての方が、事件分析官よりも役に立つという結果に。
ピアは家族と上手く行っていないという話だけは以前からあったが、詳しいことは出てこなかったと思います。
旧弊な両親らしいけれど、それなりに和解が成立した様子にほっとする心地。
事件の関係者でキャリアウーマンのカロリーネの描写が丁寧で、ん?この人、オリヴァーとお似合いじゃないかしら…(笑)

重いテーマを背景とした事件に切り込みつつ、人間的要素で読ませます。
現実味のある登場人物、捜査する面々も等身大で、人生が少しずつ変わっていきます。
そのあたりも読みどころ。楽しみなシリーズです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(未分類)
感想投稿日 : 2021年4月13日
読了日 : 2020年2月20日
本棚登録日 : 2021年4月13日

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