第16回鮎川哲也賞佳作入選したデビュー作。
自らの母校がモデルだそうです。
高校の文化部が集まっている古い建物・芸術棟を舞台のミステリ。
意外に改行が少なくて、説明が多い文章。
葉山君の一人称で、難しい内容というわけではないけど。
建物内部の図面はややこしいけど~謎解きに挑戦するも由、しなくてもかまわない?
美術部の葉山は、今日も一人でカンヴァスに向かう。
部員は5名いるのだが、毎日来るのは一人なのだ。
他のクラブの面々がよく顔を出すので、べつに孤独ではない。
吹奏楽部の練習を廊下でやられると、ちょっとうるさいが。
幽霊が出ると評判になり、吹奏楽部のメンバーが怖がって練習に来なくなってしまったという。
その幽霊は、行方不明の立花先輩だという噂なのだ。
噂が嘘だと証明するため、吹奏楽部の高島部長と秋本麻衣が、夜も芸術棟の中に留まるというので、証人として葉山が駆り出される。
秋本に気のある演劇部の三野も、いさんで参加することに。
ところが、本当に幽霊が現れた!
なぜ…?
葉山君も調べ回るうちに、文芸部の伊神先輩がトリックを解き明かします。
「まもなく電車が出現します」から先に読んだため、柳瀬さんや伊神先輩についての説明があってわかりやすいだろうと思ったら、あまり無かった…
柳瀬さんは演劇部で、いつも美術部に顔を出しては勧誘し、演劇部へ用事があって行けばまた勧誘という明るい女の子だってことはわかったけど。
外見の描写はないような…
表紙の彼女としか思えないけどね。
どうやらお互いに何も口にしてはいないけど~何となく通じ合っている仲らしくて。
葉山君のテレがあって~描写出来ない?みたいな。
日常の謎というには、事件はやや重いかな?
いつも顔を合わせている仲間達の掛け合いが楽しく、すいすい読めます。
著者は1981年、千葉県生まれ。
2006年、この作品でデビュー。
- 感想投稿日 : 2012年8月9日
- 読了日 : 2012年8月5日
- 本棚登録日 : 2012年8月6日
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