好評のヒストリカル・ロマンスを読んでみました。
ボウ・ストリート三部作の1作目。
19世紀半ばのロンドン。
「ボウ・ストリートの捕り手」のグラント・モーガンは、真冬のテムズ川に女性の死体が上がったとの通報を受けて、現場に。
女性は息を吹き返し、しかもグラントの知った顔だった。
高級娼婦のヴィヴィアン・ローズ・デュバルで、ロンドン一の美貌といわれていた。
また襲われるかも知れないというのを口実に自宅へ連れ帰り、手厚く看護する。
高慢なヴィヴィンアンには、かっての出会いで不名誉な噂を流されたため、グラントは仕返しの機会があるかも知れないと考えたのだ。
ところが、ヴィヴィアンは記憶を失っていた。
人が変わったように素直で、思いやりがあり、自分が娼婦だったと知って深いショックを受けた様子。
からかっているのかと疑いつつ、そんなヴィヴィンアンにどうしようもなく惹かれていくグラント。
ヴィヴィアンの書いた手帖を頼りに、付き合った男性に面会していきます。
最初はヴィヴィアンを守るために、噂通り死んだものと思わせておきますが。
犯人をあぶり出すため、一緒に大きなパーティに出ることに…!?
当時の警察官は、治安判事が雇っているもので、身分は不安定。
ボウ・ストリートに治安判事の公邸があったので、ボウ・ストリート・ランナーズと呼ばれていたそう。
青い上着に赤いベストと紺のズボンというのが制服だけど、大男のグラントには似合わないので、着ていない。
他の警官も出来る人はすごくお洒落な格好をしていたり、この時代ならではです。
グラントは大事件で名をあげて評判になり、社交界でも今はとても人気のある存在というのが面白いですね。
描写は細やかで流れが良く、詳しい割に読みやすいです。
惹かれ合いながら~なかなか認めない二人の様子は、ロマンスのお約束☆
- 感想投稿日 : 2012年10月31日
- 読了日 : 2012年10月24日
- 本棚登録日 : 2012年10月23日
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