カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

  • キノブックス (2017年8月22日発売)
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感想 : 48
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本屋大賞つながりでご紹介、2018年本屋大賞の翻訳小説部門の1位だった作品。
カラヴァルという特殊なゲームに参加する姉妹の話。

島で育ったスカーレットとドナテラは、島の支配者である父親に怯えながら暮らしていました。
とくに母親が行方不明になってから、厳しい父親が虐待までするようになったのです。
長女気質でまじめなスカーレットと、スカーレットが守ろうとしているけど実は奔放で要領のいい妹のテラ。
「カラヴァル」とは、年に一度、ゲームマスターが主催し、チケットを手に入れた人間だけが招待されて参加する催し。ゲームをトップで完遂した人間1名だけが、願いをかなえてもらえるという。
スカーレットは母親の行方を知るため、手紙を送り続けていました。
婚約が決まり、もう参加できないと思っていた時に招待状が届きます。

カラヴァルというのがサーカスなのか、パーティなのか、イリュージョンなのか、本物の魔法なのか?
正体がわからないまま、視覚的には華やかで凝った描写が次々に展開します。
スピード感もあって、最初の方のセリフ運びは脚本のようにわかりやすいし、映像化されるのはありあり想像できます。そういう才能はあると感じました。

登場人物の描写に漂う微妙な重さに、どことなく大物感も漂っています。
後半は急展開で、これも映画化には良さそう。
ただ、この作品だけではわからないことが多すぎて、今一つ入り込めないままでした。
次が出てから読んだ方が良かったかな、と思ったのですが…
シリーズ1作目なのだが、続きはまだ出ていないよう。
何とかして~!(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2021年3月10日
読了日 : 2018年10月16日
本棚登録日 : 2021年3月10日

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