図書館で書名が気になって手に取った作品。天然痘が蔓延していた天平九年の日本(奈良時代?)を背景に、千広という少年の生き抜く日々を描く。疫病で母や従兄弟を失い、天涯孤独になる千広は深い絶望に苛まれつつも、新たな出会いとそこから生きる希望を見出だしていく。ふわりと香る恋もあり。個人的には安都(あと)のキャラクターが大好き。実際に発見された、その時代の木簡(木の札)や書かれた文字も小説に盛り込まれていて設定に深みを与えている。この物語自体はフィクションでも遠い昔の時代に実際に存在した木簡があるのだと思うだけで、どこか繋がっている気分がする。
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- 感想投稿日 : 2012年1月28日
- 読了日 : 2012年1月28日
- 本棚登録日 : 2012年1月28日
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