新装版 御宿かわせみ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年3月12日発売)
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本棚登録 : 613
感想 : 73

「御宿かわせみシリーズ」から「新・御宿かわみ」にシリーズが変わったことで、江戸から、明治・東京へと時代と舞台が移り変わった。それに伴い、活躍する人々の世代交代も行われたわけだが、まさか、東吾さんや畝源三郎さんが、こんなふうになっているとは。衝撃が強すぎて、一瞬頭が真っ白になった。
麻生家を襲う事件と、それによって起こる源三郎さんの事件については、本作中の最後の章「天が泣く」で真相が明らかになるが、これで解決、大円団ということはなく、やるせなさがどうしても残る。章題の「天が泣く」がそれを表している。
ただ、現実に起こる様々な事件というのは、その真相がわかったところで、当然ながらそれで万事解決とはならない。その当然を描いているだけかもしれないな、とも思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年1月11日
読了日 : 2023年1月10日
本棚登録日 : 2023年1月11日

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