一言ではとてもまとめられないのですが、
読み終えた今感じたことを、書き留めておきます。
はじめ本を手に取った時は、タイトルの「0」の意味さえ分かりませんでした。
理解したのは、宮部久蔵が零戦の搭乗員だったと知ってからです。
この宮部という人物がなぜ軍に入り、最期特攻を志願して亡くなってしまったのか。
なぜ特攻隊に志願したのか、本には描かれていませんでしたが、
太平洋戦争の最後はもはや特攻は命令されて行われていたという事実から、望まないものだったんじゃないかと思います。
宮部は決して国のために命を張るような人ではありません。
それよりも自分を待つ妻と娘のために、自分を愛してくれている人のために生きて帰りたかった。
そのために、ラバウルやガダルカナルでの過酷な日々を乗り越えてきたのです。
しかし、最期は自分と引き換えに教え子の命を守り、
特攻隊として人生を終えました。
あまり戦争のことは詳しくなく、途中で何度も辞書を引きながら読み終えましたが、
それでも特攻隊として亡くなった人の無念さ、当時の大本営の作戦の稚拙さ、人名軽視の愚かさは充分に伝わってきました。
旅行で訪れたこともあるアメリカと、つい75年前には戦争をしていたなんてどうしても想像がつきません。
でも、当時を知り、もう二度と悲しい歴史を繰り返すまいとするのは日本人としての義務なのではないか、と今は思います。
そう思うきっかけを、この本は私に与えてくれました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月30日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年8月30日
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