卒業 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
3.78
  • (351)
  • (493)
  • (591)
  • (38)
  • (5)
本棚登録 : 4528
感想 : 400
5

本を読んで涙が出たのは、本当に久しぶりです。
前回がいつだったかは思い出せません。

4つの話の短編集であるこの本の中で、
最後の「追伸」の話が一番好きでした。

幼くして母を亡くした敬一、その4年後に新しい「母」として現れたハルさん。
二人をいきなり親子にしようとしてしまった不器用な父、父とハルさんの間に産まれた、年の離れた弟。

4人の複雑な家族の話が、丁寧に描かれています。
物語では、既に敬一は40歳を迎えているところからはじまります。


重松清さんの書く人物の心情はとてもリアルで、
必ずしもまっすぐではない意思を持っていて、
セリフだけでなくその目線やしぐさからそれを表れていて…
だからこそ共感でき、自分だったらどうするだろう、と
思いを巡らせることができます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月20日
読了日 : 2020年9月20日
本棚登録日 : 2020年8月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする