2002年、単行本で刊行された作品の文庫本化。衆議院議員総選挙に出る、若き候補者と、その候補者の高校時代の友人たちの物語。
総選挙の背景として、小渕総理が倒れ、その後、自民党の密室の協議によって森喜朗が総理に担ぎだされるエピソードが描かれていることから、物語は1999年から2000年頃を想定しるものと思われる。
この所になって、ようやく市民も、少しは関心をもつようになりつつ有りますが、この物語で描かれている頃は、まだまだ政治への市民の関心は低い時代。十年一昔といいますが、10年で、市民感覚はだいぶ変わった気がします。もっとも、その関心もごく一部の分かりやすかったり、面白そうだったりするところだけで、きちんと自分の意思を政治に活かしているとは言い難いのかも知れませんが。
選挙に出るため作業、選挙に出てからの作業、それらあまり目にふれることのない事が、キチンと描かれています。そういう所が、この作品の臨場感を盛り上げているのだと思います。選挙の結末は・・・、映画にしたら、大きな歓声と共に映像がF.O.してく感じですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年6月3日
- 読了日 : 2010年10月23日
- 本棚登録日 : 2012年6月3日
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