青の炎 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2002年10月23日発売)
3.87
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本棚登録 : 15823
感想 : 1687
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先が読める重い展開、最後まで秀一の心情に寄り添うのはキツイなぁ、と。元同級生が現れてからは、ドラマ仕立てのようで、ハラハラしながら読了。
どうやったら怒りを感じないで世の中渡って行けるのか、そう思います。それが出来たら…
愛する者を救うため、その優しさ故に自分自身に犠牲を招いて。判断がつきかねる17歳、考えることが短絡的、もう少し未来を予測する力があれば。大人びてはいるが、未熟さ不完全さ、思いつめてひとりで抱え込んでいる、次々と暴かれ壊れていく様は心が痛かった。緻密な作戦を練るところは不気味、没頭しやすい人の怖さというか。人に心を開くことが大切だという気がしました。
動機と犯行のアンバランス、まだ17歳、守ってもらえる環境だったなら、と。ひとりで戦うラストまで切ない。母親の影が薄い、しっかりして、と言いたい。
倒叙推理小説というのを初めて知りました。動機に触れるところが辛かった。
青い相模湾沿いを走るロードレーサー、紀子との絡みが爽やかでアオハル、せめてもの救いの時間だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月10日
読了日 : 2023年1月10日
本棚登録日 : 2023年1月10日

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