タイトルに惹かれ読み始める。100歳の誕生日に老人ホームから脱走、途中でひょんなキッカケから大金入りのスーツケースを入手し、犯罪組織と警察から追われる。追っ手の追及を結果的には巧みにまきながら、社会からのはみ出し者を仲間に増やしつつ、珍道中が繰り広げられる。この100歳での逃避行と重ねながら、この主人公の生まれた時から現代までの人生歴が綴られているが、100年の歴史の節目を振り返るように、歴史上の著名人と出来事に絡んでいく。奇想天外、支離滅裂という形容に相応しい面白さ。シドニーシェルダンの超訳に見られた展開の小気味良さと、北杜夫風のまじめにふざけた文章がいい。読み出したら先が気になる秀逸な娯楽小説だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年5月23日
- 読了日 : 2019年5月23日
- 本棚登録日 : 2019年5月23日
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