仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1995年3月7日発売)
3.64
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本棚登録 : 16830
感想 : 1357
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【感想】
久しぶりの東野圭吾作品。
初めて読んだはずなのに、途中で展開がなんとなく読めて、ほぼ全く予想通りの結末だったので肩すかし感がハンパなかった(笑)
強盗の妙な馴れ馴れしさや、あまり場が温まっていない中での突然の殺人、そして犯人のいきなりの自殺など、読み進めていくうちに「あ、これ主人公がハメられるんだろーな」と分かってしまった。
最後、玄関の仮面がなかった描写があったけど、あれは何だったのかな?

全体として薄めの内容ではあったけど、まぁ短くまとめられていたのでサクっと読めたし、短時間で読める娯楽小説としては程々だったかも。


P.S.
他のレビューで「叙述トリックが凄かった」などの感想が多く書いてありましたが、どのあたりが叙述トリックだったのか僕には分かりません・・・笑

※「叙述トリック」:読者の先入観などを利用し、事実を誤認させるトリック

筆者が読者をミスリードする箇所なんかあったっけ・・・?笑



【あらすじ】
8人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。
外部との連絡を断たれた8人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。
恐怖と緊張が高まる中、ついに1人が殺される。
だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。
7人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった……。



【メモ】
仮面山荘殺人事件


p161
ジンは自分のこめかみを指でつついた。
「いや、あんたたちだってわかってるはずだ。いくら何でもこんな状況で、俺が女の部屋に忍んでいったりはしないだろうってことはな。」

(中略)

「思っていることを口に出すのが怖いみたいだから、俺が代わりに言ってやる。あんたたちは皆善人面をしているが、誰か一人は仮面をかぶっている。あの女を殺したのは、あんたたちの中の誰かなんだ」


p237
「時間をやる、1時間だ。その間に議論でも話し合いでもやって、犯人が誰かをはっきりさせるんだ。それが出来ない時は残念だが、全員死んでもらう。わかったな」


p280
「わかっただろう」と伸彦はいった。
「この別荘での出来事は、すべて作りもの、芝居だったのだよ。強盗が来たことも、殺人事件もね」
「なぜそんなことを?」
「なぜ?決まっているだろう。君の殺意を証明するためだった」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年4月10日
読了日 : 2020年4月10日
本棚登録日 : 2020年4月10日

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