例え正しい問題定義ができたとしても、適切な切り口で「根本課題の特定」ができなければ、問題解決は的外れなものになる。
本書がテーマにしているフェルミ推定とは、自分が全く知らないこと対して、知識と仮説思考を用いて概算を導き出す方法論だ。
このフェルミ推定によって鍛えられる思考力とは「どのような切り口で考えるべきかを考える」力だ。
例えば「日本のピアノ調律師は何人か?」という問いの場合「日本にあるピアノの台数は?」「ピアノの調律頻度は?」「1人の調律師が1年で調律できるピアノ台数は?」の3つの論点が設定できれば、そこからピアノ調律師の人数は推定可能となる。
ロジカルシンキングは、物事を分解していくことで「根本的な課題」や「具体的な解決策」の仮説を導き出していく思考法だが、分解していく際の「切り口=論点」を間違えば、精度の高い仮説は導き出せない。
もし、問題解決の際に「精度の高い仮説創り」に悩んでいるのなら、実は「仮説思考」の手前にある「仮説を創る際の切り口(=論点)を設定する力」に問題がある可能性が高い。
本書は、そのような「論点を設定する力」を身に付ける上で、良きトレーニング本となる良書だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思考法
- 感想投稿日 : 2020年2月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2020年2月17日
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