地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2007年12月7日発売)
3.81
  • (572)
  • (788)
  • (746)
  • (86)
  • (22)
本棚登録 : 7629
感想 : 793
4

例え正しい問題定義ができたとしても、適切な切り口で「根本課題の特定」ができなければ、問題解決は的外れなものになる。

本書がテーマにしているフェルミ推定とは、自分が全く知らないこと対して、知識と仮説思考を用いて概算を導き出す方法論だ。

このフェルミ推定によって鍛えられる思考力とは「どのような切り口で考えるべきかを考える」力だ。

例えば「日本のピアノ調律師は何人か?」という問いの場合「日本にあるピアノの台数は?」「ピアノの調律頻度は?」「1人の調律師が1年で調律できるピアノ台数は?」の3つの論点が設定できれば、そこからピアノ調律師の人数は推定可能となる。

ロジカルシンキングは、物事を分解していくことで「根本的な課題」や「具体的な解決策」の仮説を導き出していく思考法だが、分解していく際の「切り口=論点」を間違えば、精度の高い仮説は導き出せない。

もし、問題解決の際に「精度の高い仮説創り」に悩んでいるのなら、実は「仮説思考」の手前にある「仮説を創る際の切り口(=論点)を設定する力」に問題がある可能性が高い。

本書は、そのような「論点を設定する力」を身に付ける上で、良きトレーニング本となる良書だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思考法
感想投稿日 : 2020年2月17日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年2月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする