堕落論 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2000年5月30日発売)
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 堕落論について卒業論文を書いた。
 戦前、戦時中の日本にとっての天皇制や武士道の精神は日本の体裁上必要なものであり、それらを高貴なものとしてその姿勢を守り続けていくことで支配のバランスを保っていたともいえる。ある意味日本で大事にされてきた決まり事を守って、自分たちはしっかりやれている。と、既存の物に頼りきりで堕落するのではなく、そのバランスを崩し「自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすために」は、自分自身を再発見する必要がある。
 戦後の混乱している社会の中に身を置いて自分自身を見つめ直すこと。それこそが安吾の唱える「堕落」なのだと考えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年4月22日
読了日 : -
本棚登録日 : 2023年4月21日

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