おまえさん(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年9月22日発売)
4.14
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本棚登録 : 3880
感想 : 362
4

このシリーズは本当に登場人物の人物造形が魅力的。新たに登場した弓之助の兄、淳三郎がまたとてもいい。軽い、女あしらいが上手い、顔もいい、一見馬鹿に見えるけどそうではない。読者としても彼の魅力はよく分かるし、普段は大人びている弓之助がいちいち彼に突っかかるのも微笑ましい。
そして間島信之輔が思い悩むシーンが多かった今作だが、彼の苦しみもよく分かる。この下巻は普段より恋愛に焦点が当たっていたようだが、お徳の「幸せ者のそばには必ず気の毒な者がいる。それは仕方ないことなんだから、それに一生囚われたままでいる方が不幸だ」という台詞が胸に染みた。
ただ、ミステリーとしては前作『日暮らし』の時も感じたことだが、あまりにも弓之助の推測頼り過ぎるのでは。彼にも間違うことがそろそろないと割に合わないと思ってしまった。
とりあえず弓之助ロスになってしまっているので、次回作に期待したい。いつか出るのかな、、

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代小説
感想投稿日 : 2017年4月24日
読了日 : 2017年4月24日
本棚登録日 : 2017年4月24日

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