初の小野先生作品でした。
ホラー小説といえばこれ!手元に持っておくのが怖い!というのを見かけたので、夏が終わってしまう前に駆け込みで読んでみました。
小野先生の書かれる文体が、お手本のように無駄がなく整っているのでさらさらと読めるなという印象と、登場人物が思ったより多くて最初は少し戸惑いつつ読んでいました。とある怪奇現象をきっかけに、連鎖していく穢れと不穏。少しずつ現象の芯へ近づいていくのはじわりとした怖さはありましたが、助走が長く本番がやや盛り上がりに欠けて、もう終わり?と思ってしまったので、読む物としてはもうひと盛り上がりほど欲しかったなと。
土地に根づくのは人以外にも勿論あって、それが伝染し人を狂わす。その情景描写の奥行きの深さに驚きはしましたが、ホラーとしては恐怖感はわたしはさほど感じなかったです。結局、念だとかそういう見えないものを一括りにしたものが怪奇で、それを知るか知らないか、そしてその後どうするか。というのを感じさせられた作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年9月5日
- 読了日 : 2022年9月5日
- 本棚登録日 : 2022年9月5日
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