夜明け前 第二部(下) (岩波文庫 緑 24-5)

著者 :
  • 岩波書店 (2003年8月20日発売)
3.49
  • (8)
  • (6)
  • (18)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 142
感想 : 16
4

読み切った!
前半の幕末〜維新の激動の時代を超え,後半の明治時代に入ると半蔵の物語は徐々に失速してゆく.
ピュアな半蔵の平田学派への傾倒が4冊を一貫して描かれているが,維新後数年が経過して平田学派が政府内での立場を徐々に失うと,幕末,維新を疾走してきた平蔵も迷走を始め,ついには悲劇的な結末に至る.
タイトルが「夜明け前」というのは意味深だ.つまりタイトルは明らかに「維新の前」を指す.半蔵は維新に寄せた期待があまりに大きすぎ,現実と折り合いが付けられずに発狂してしまったのだ.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月6日
読了日 : 2020年7月5日
本棚登録日 : 2020年7月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする