安徳天皇漂海記

著者 :
  • 中央公論新社 (2006年2月1日発売)
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本棚登録 : 235
感想 : 54
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 壇ノ浦の合戦で入水した幼帝安徳天皇は、琥珀色の玉に包まれて海を漂う・・・。
 源実朝が自分の首を捧げることで日本を救う第1部、マルコ・ポーロが黄金の島に辿り着く第2部とも、史実をファンタジーで紡いでいく手法の巧みさに驚かされます。
 そして、要所を和歌でバシッと決めるのも素敵であります。
 また、ストーリー全体が澁澤龍彦「高丘親王航海記」を下地にしているのですが、かの名作とは味わいの異なる美しさに酔いしれそう。特にラストのへんとか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2011年に読んだ本
感想投稿日 : 2011年6月9日
読了日 : 2011年6月9日
本棚登録日 : 2011年6月9日

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