騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

著者 :
  • 新潮社 (2017年2月24日発売)
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この本は出版当時に単行本で買ったが、ずっと読まずそのままにしていた。
村上春樹の小説は好きで、当時の上司と「騎士団長殺しをそろそろ読むか」といったやり取りもしていたのだが、本の分厚さや、ほかの種類の本を優先するうちに、6年が経過してしまった。

きっかけは、「街と、その不確かな壁」が出て、そちらを読みたいと強く思ったが、その前に読み終えておくべきだと思ったことと、並行で取り組んでいる英語に頭が向かないことからこの本を読むことにした。
また、少し前に読んだ落合陽一の「忘れる読書」で、「村上春樹の文章は『たまにこういった文章を読みたくなる』」と書いてあったことも手に取るきっかけになった。

読み始めてみると、落合陽一さんのいうことに改めて同感したのだが、それよりなにより、小説を読むのはかなり久しぶりで、ビジネス本やノンフィクションとは頭の使われ方がかなり違うことに気づき、(一文一文意味をしっかりとらえようとして)はじめはなかなか読み進まなかった。

今はかつて村上春樹の本を楽しんだようにスイスイ読み進んでいる。
と同時に、村上春樹の小説にはかなり引き込まれることにいまさらながら気付いた。

読んだ後は自分が小説の中に出てくる「私」になっているというか、「私」のような生活を望むというか、決してそんな風にはならないのに、かなり引き込まれている。
頭を現実に戻すのに少し時間がかかるので、仕事の合間にはとても読めない。

さて、村上春樹の小説にも自分なりの好き嫌いがある(といっても好きだったものを読んだのは古いものでは30年近く前だ)が、騎士団長殺しは今のところ「違うな」といった感じがなく、第二部を楽しく読み進めているところ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年5月7日
読了日 : 2023年5月5日
本棚登録日 : 2023年4月25日

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