チップス先生、さようなら (新潮文庫)

  • 新潮社 (2016年1月28日発売)
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本棚登録 : 194
感想 : 26

で、こう言うことになる、と。

「こう言うこと」とは、先般突然この
『チップス先生』が読みたくなり、
あるはずの本棚を探したけれど無くなっていて、
俄かに焦り、図書館への取り寄せをしつつ、
行きつけのBBの本屋さんでこちらの新訳を買い、
あっという間にどちらも読んだ、と言う事。

こんなに素晴らしい小説を
今まで読まずにのうのうと生きてきたと言うのは
大変に恥ずべきこととお詫びしつつ、
今回、こちらの新訳の素晴らしさを褒めたたえたい所存。

原作の時代の風合いを損なわず、
会話の言葉使いも、描写も自然でわかりやすかった。

何せ、旧訳を読んだ三日後くらいに読んでるから
容易く比べることが出来るの。

大体、私は新訳って言うと疑いのまなこをむけて、
読んでみて、「やっぱり…」と
旧訳に軍配を上げることが多いのだけれど、

でも考えてみると、それは旧訳を何度も読んで
気に入っているからかも知れない。

今回は旧訳も一回しか読んでいないので
思い入れが無いからかも。

また、新旧の違いとしては新しい方には
注釈が一つも無いってこと。

これは日本も国際化が進んで、
外国の文化もよくわかってきたと言う証拠かな?と思った。

とは言え、旧訳の注釈は訳者さんが面白がって付けているようなのも
チラホラあったけれど。

先生って勉強とか何かを教えてもらったりすると言う以上に
「出会い」なんだな、と思い至った次第です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年1月22日
読了日 : 2017年1月22日
本棚登録日 : 2017年1月13日

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