小公女 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2014年10月28日発売)
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感想 : 33

新訳の「秘密の花園」が面白かったので、
こちらも買って読んでみた。

持っている本は、伊藤整先生の翻訳!

そうそうたるメンバーで児童文学も翻訳していて
昔は気合い入っていたんだな、なんて思ったけれど、

もしかして昔は翻訳する人の数が少なかったのかしらん?
(今で言う一流の人しかいなかったの?)

伊藤整先生の翻訳ではとても丁寧な言葉遣いのベッキィちゃんは
畔柳さんの翻訳では乱暴な言葉を使うベッキーちゃん、だった!
(でも多分それが原文に忠実なのでしょうね)

意地悪ラヴィニアは同じくらい意地悪、
でもその仲良しのジェッシィは新訳では
ラヴィニアのお追従はしているけれど時々賛同しかねたり、
皮肉を言ったり、そんなに悪い子じゃない、
と言うのがわかった。

ベッキィちゃんが誕生日プレゼントをくれるところと、
セーラがパン屋さんへ行くところと、
隣の家へ行ったセーラを捕まえに
ミンチン先生が乗り込んできてギャフンと言わされるところなど、
好きなシーンは他にもいっぱい。

小学校3・4年の頃、楽しく「小公女」を読んでいたら、
母親があらわれて「あんた、小公女みたくベッキィちゃんに
お布団とか食べ物分けてあげられるの!?」と言われ、
ギョッとなって「う~、どうだろう?」としばらく悩んだ。
(うちの母親は何かと説教を絡めてくる癖があるのだね)

今や私も吃驚するほど大人になり、経験を積み(自分比)
はっきり言えます、
こんなに仲良しのベッキィちゃんでしょ?
わけてあげられますとも!

でも、ベッキィちゃんは偉いわ。
過酷な環境でもひねくれず、一心に慕ってくれる…
ベッキィちゃんがいなかったら、とっくに駄目だったわ…
(と、急に勝手にセーラの気持ち)

同じ本でも、訳す人によってとても変わるよね。

「高慢と偏見」の翻訳読み比べが趣味の私、
新潮版も新訳になってるのを知っていたけれど
あまりにも家にありすぎるからちょっと保留にしていたけれど、
やっぱり買って読むかな?

同じ振り付けでも、
吉永小百合さんが躍るのと、夏木マリさんが躍るのじゃ、
全然違うダンスになるものね。
(この例えはあっているのかな)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2016年6月8日
読了日 : 2016年6月8日
本棚登録日 : 2016年6月8日

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