アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

  • KADOKAWA (1997年2月21日発売)
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パウロはリオデジャネイロで生まれ、1970年からメキシコ、ペルー、ボリビア、チリなど中南米各国、そしてヨーロッパと北アフリカを(放浪)旅している。
本書の舞台は北アフリカなので、この旅が彼の人生を変えたことは間違いない。

読んでみて驚いた。
昨今話題となっている、宇宙、魂、”いまここ” に溢れている。
ペルー、ボリビアの旅でも何かを感じたのだろう。
要所要所では目覚めと気づきが重要なポイントとなっている。

わたしたち現代人は、なにか大事なものを見失っているのかもしれない。

ーーー

94頁
 それはとても奇妙な本ばかりだった、水銀や塩や龍や王様のことが書いてあって、少年には少しも理解できなかった、しかし、すべての本を通してくり返されている一つの考えがあった。それは、すべてのものはただ一つのものがさまざまに現れたものにすぎないということだった。
 ある本の中で少年は、錬金術の最も重要な文献はほんの数行から成るもので、それはエメラルドの表面に書かれているということを知った。
「それはエメラルド・タブレットのことだよ」

101頁
 なぜなら、私は過去にも未来にも生きていないからです、私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば幸せになります。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります、なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです。

ここでも「いまここ」が出てきた。
さらに、エメラルドタブレットは、1月前は知らなかったことだ。
なぜかこうした本に出会う。

154頁
「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2024年3月2日
読了日 : 2024年3月2日
本棚登録日 : 2024年3月2日

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