卒業 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
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本棚登録 : 4528
感想 : 400
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ゆるす/ゆるされる、に関する4編。
紆余曲折を経て、いろいろなことを考え、そして落ち着いていくお話。

まゆみのマーチ。
まゆみちゃんはいい子だ。
本当に純真で、いい子なんです。結果として周りの人たちを明るくしていたはず。
でも、先生の一言、行動で変わってしまう。いい子だからなおさら悲しい。
大人は軽い気持ちで行動を起こしているのかもしれないけれど、本人にとっては一生消えない傷になってしまった。
罪深いのはまゆみちゃんではなく、おとなだ。

追伸。
お母さんだったらどう思うとおもう? 目をつぶって考えてみて。
とてもいいアドバイスだ。
感情的になっているから、冷静に考えられないのだろうけれど、答えとしての選択肢はほとんどないはず。よく考えたらわかる。
結果としてもう取り返しのつかない年月が経ってしまっている。

最期に後悔したくないものですね。
とてもいいお話でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年3月23日
読了日 : 2021年3月23日
本棚登録日 : 2021年3月20日

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