やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年2月15日発売)
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本棚登録 : 248
感想 : 15
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 この方の文章はいつも自然体ですごく親しみを感じる。いくつになっても「男の子」でいたい。その3要件がまた可愛い!なんと、スニーカー、床屋、言い訳をしないことなんだそう。米国プリンストン大のあるケンブリッジでの自然な生活がこの著者には非常に似合う。そこで出会った日本人エリートたちの日本の出身大学、所属役職、そして何と入試偏差値の話が出てくるという姿には同じ日本人として恥ずかしささえ覚えた。米国人学生たちが、庄野潤三「静物」、安岡章太郎「悪い仲間」「海辺の光景」、吉行淳之介「木々は緑か」を読んで日本語のレポートを書く!脱帽である。この吉行の文を英語訳で読み、それを再び日本語に訳しなおして、原文との読み比べが出てくる。そこから出てくる日本文の特徴が面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月9日
読了日 : 2020年6月8日
本棚登録日 : 2020年6月1日

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