昨年末、午前十時の映画祭で「蜘蛛巣城」を鑑賞。黒澤明監督のとても面白い映画でした。特に次第に狂気に走る三船敏郎と京マチ子の演技には戦慄しました。
この「蜘蛛巣城」の原作が「マクベス」と知り、還暦過ぎて、初めて、シェイクスピアに挑戦しました。
舞台は11世紀のスコットランド。不気味な3人の魔女から武将マクベスはスコットランド王になると告られます。
勇猛果敢なわりに若干小心な武将というマクベスのキャラクターが物語を面白くしています。強欲で頭脳明晰な妻。マクベスは妻と諮り、主君ダンカンを殺し、王位に就きます。しかし、自らの罪に慄き錯乱状態に。緊迫したプロット展開で、娯楽性の高い戯曲です。
福田恒存の翻訳も素晴らしく、朗読してしまいたくなる箇所も多くあります。また、同氏の解題は「マクベス」の上映時期、成立の背景に関する推論も充実していて読み応えがありました。
シェイクスピアの四大悲劇の中では、比較的、とっかかりやすい作品ではないでしょうか?なお、「蜘蛛巣城」は「マクベス」を忠実に映画化しています。「蜘蛛巣城」→「マクベス」がお勧めの鑑賞順序と思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2023年2月2日
- 読了日 : 2023年2月2日
- 本棚登録日 : 2023年2月2日
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