倫理学の教科書的な内容と、それに真っ向から対立する反論を両方併せ持ったかなり変わった本です。永井均の哲学の香りがぷんぷんします。
しかし、この肯定と否定の両方を俯瞰する視点に気づかないと、結局は本質的じゃないことをいつまでも考えることになる気もします。いや、それに気づかないで淡々と世の中を良くしてくれる人がいる方がいいのかな・・・?
最後の大澤真幸さんの解説も素晴らしいです。本書を読み進めるに連れて、時々なにを言いたいのか議論についていけなくなる部分があったけど、この解説のおかげで全体像がスッキリ見えて理解に役立ちました。
「感服」という言葉が宮沢賢治からの引用で出てましたが、この本の内容の精緻さと到達点の高さにも、同じような感想を抱いてしまいます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
実用書
- 感想投稿日 : 2012年4月26日
- 読了日 : 2012年4月26日
- 本棚登録日 : 2012年3月28日
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